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川田一高 2025年作 BM-Ⅱ ブーシェモデル (1960年製作 No.71 ブーシェギターの写し)+セミRF 試奏動画 クラシックギター
川田一高 2025年作 BM-Ⅱ ブーシェモデル (1960年製作 No.71 ブーシェギターの写し)+セミRF 試奏動画 クラシックギター [浏览原始页面]
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川田一高 2025年作 BM-Ⅱ ブーシェモデル (1960年製作 No.71 ブーシェギターの写し)+セミRF 試奏動画 クラシックギター



2年ぶりの出品になりますが終了までよろしくお願いいたします。川田一高本人による出品で、本年はこの楽器のみの出品です。

ロベール・ブーシェ作 1960年 No.71の再現モデルに加え、ネックにセミRFを採用、当オークションでのみ紹介の楽器です。


以前紹介させて頂きました、No,71 No,150モデル並びにRFモデルは、皆様に喜んで頂く事が出来
感謝いたします。

今回、再び1960年作 No.71のギターを故稲垣稔氏ゆかりの楽器として紹介する事が出来嬉しく思います。
さらにセミRFを組み込むという言わばブーシェギターへのオマージュとしてのモデルです。



ここで今までの出品作について振り返ってみます。

2020年から2023年までに20本余りのブーシェモデルを出品して参りましたが、その全てのモデルにおいて
100%の非常に良い、との評価を頂いています。
中には評価欄にコメントを残してくださった方々がいらっしゃいますので紹介させて頂きます。


BM-Ⅰ No,71

・  音の伸び(余韻)や和音のバランスが素晴らしく、とてもいいギターだと思います。ギターを弾くことがより楽しくなりました。
    どうもありがとうございます。また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。


・ 無事に届きました。早速調弦し音出しをしてみましたが、音の伸びと広がりがすばらしい個体です。
  弾き込んでいくのが楽しみです。良い楽器をありがとうございました。


BM-Ⅰ No,150

・ ありがとうございました。一時間ほどしか弾いていませんが、どんどん音が変わってきます。
  HM-IIとはまた違った音色を楽しめそうです。とても良い取引ができました。また機会がありましたら、よろしくお願いいたします

・ 本当に良い取り引きが出来感謝致します。今まで色んなブーシェモデルを弾いてみましたが、
  このギターはブーシェの持つダークな闇の部分まで再現されており、引き込んでいくのが楽しみです。ありがとうございました!

・ 本当にありがとうございました。素晴らしいギターです。妻に「アルハンブラ宮殿の想い出」を聴かせたら、 
  感激のあまり泣いてしまいました。末永く愛用させていただきます。

 

BM-Ⅱ No,150

・ 凄いギターですね。動画で見た稲垣さんのギターに近い音がします。本当によい買い物しました。今後とも宜しくお願いします。

・ 見事な作品、無事に受け取りました。事前の説明で想像を膨らませておりましたが期待を遥かに上回る音の立ち上がりと
  サスティーンが素晴らしいギターでした。この先、愛情を注ぎしっかりと育てていく所存です。
  この度は本当に良いお取引きを賜り誠にありがとうございました。



BM-Ⅲ No,71

・  この度はありがとうございました。この素晴らしい楽器をさらに育てられるかは自分次第ですね。今後ともよろしくお願いします。



BM-Ⅲ No,150

・ 受け取って開けると良いニスの香りがしました。作品は、非常に丁寧で端正な作りです。弾きやすく、音の立ち上がり、持続性は思った以上です。
  今後、もっと良いものに育てようと思います。良い楽器をありがとうございました。



これらのコメントは評価欄に公開されているものですが、その他取引ナビにも嬉しいコメントを沢山いただき、
又、順調に育っているとの経過報告等も寄せて頂いています。


オークションを通して多くの方と直接触れ合う事で新たな出会いがあり、充実した製作活動に携わる事が出来本当に感謝いたします。


今回出品の楽器も今まで通り誠意を込めて製作されたものですので、安心してご入札下さい。





ロベール・ブーシェの音作り



ロベール・ブーシェの生涯における音作りの変遷は、1期から4期に分けられ


(ロベール・ブーシェ年譜より引用)

1期 トーレスシステム  表面板の厚み約1.5mm 1946年~52年 N0,1~No,25

2期 トーレスシステム  表面板の厚み約2.2mm  1952年~57年 No,26~No,55

3期 オリジナルの音作り 5本バスパー 駒下トラベルスバー 1957年~78年 No,56~No,149

4期 7本バスパー. 駒下トラベルスバー 1979年~83年 No,150~No,153   No,154は遺作となる。


今回紹介のギターは3期に相当する楽器で、5本バスパー、駒下トラベルスバー。

4期の7本バスパー 駒下トラベルスバーと比較すると鳴らし易さを実感出来ます。


劇的な鳴りの変化


この駒下トラベルスバーが楽器の鳴りに劇的な変化をもたらしています。

がっしりとした骨格を持つ粘りのある重低音に、キリッと引き締まった峻険なる厳しさを持つ高音は
正に比類のないものです。しかも甘く柔らかな音も自在に。

低音はより重厚に、高音はより煌びやかに、音の伸びはより長く!!



1994年11月、劇的な出会、それが稲垣稔氏とブーシェギターでした。

地元高知のギターグループで稲垣氏を招聘し、四国四県での稲垣稔ギターリサイタルを企画した折、
稲垣氏と共に高知、香川、徳島と案内し、愛媛で主催して下さった坂本(仮名)先生宅でギターコレクションを
見せて頂いた時の事でした。

松山のギター愛好家達も集まる中、稲垣氏自らハウザー1世、フレタ1世、アグアド、そしてブーシェ。

それぞれを目前で試奏してくれたのですが、ハウザー、フレタ、アグアド、何れも選りすぐられた超一級の
銘器揃いで、稲垣氏も試奏する毎に感嘆されていましたが、ブーシェを試奏された時でした。


試奏しながら「いいですね!! これは良い!!」を連発しながら弾いておられました。


私にとって初めて体験する生のブーシェギターの鳴り方は、正に衝撃的なものでした。


パリ留学時代、ラゴヤ教授や、ブーシェとの親交を通してブーシェギターの本質を熟知している唯一の、
真のギタリスト稲垣氏の手によって紡ぎ出される音はギターの音とは思えないような次元の違う
息の長い歌いまわしで、まるで人の声で歌っているようなフレーズを次から次へと紡ぎ出すのを目の当たりにして、
これが本当にギターの音なのかと耳を疑ってしまいました。


ブーシェと比較すると、ハウザー1世、フレタ1世、アグアドは何れも超一級の銘器揃いで、素晴らしい楽器でしたが
音は、ギター"、の音でした。


稲垣氏は、すっかりこのブーシェが気に入ってしまい、坂本先生に「是非この楽器をコンサートで使わせて欲しい」
とまで言って居られましたが、結局実現することなく、今となっては適わぬ事となってしまいました。
(その時の思い出の写真を掲載させていただきました。)


その一ヶ月後、余りにも今までのギターの概念とかけ離れたブーシェギターの本質を知りたいとの一心で再び坂本先生宅を訪れ、
ご好意によりブーシェギターを拝見させて頂き、1960年作 NO,71 の詳細なデータを得ることが出来、ブーシェの音作りへの、
大胆な対処の仕方を体験することで、自分独自のギター製作を追求する事の重要性を大いに啓発される機会となりました。



あれから本当に早いもので30年もの歳月が流れましたが、夭逝された真のギタリスト稲垣稔氏の手によって始めて知ることが
出来たブーシェギターの稀な特質、そして幸福な出会いであった、ブーシェオリジナルギター 1960年作 NO.71の魅力の程を
可能な限りの再現を試み、さらにセミRFを組み込む事で、新たなステージへの移行を感じて頂けましたら嬉しく思います。



坂本先生は現在もこの楽器だけを手元に残して愛奏しておられ、特別な楽器だとの思いが伝わって来、改めて楽器との出会い、
関わった人との縁、様々な思いがこの一本の楽器に秘められているのを知ることが出来、感無量でした。

これからも、この楽器が末永く後世に渡って受け継がれ、素晴らしい音を響かせ続ける事が出来るようにと願って止みません。




ギタリストによる試奏


今回も前回同様に、出品作の音を聴いて頂ける様にと、3人のギタリストに演奏を依頼致しました。
さて、その奏者ですが、日本は勿論の事、世界的に活躍する我が土佐が誇るギタリスト、元いちむじんの宇高靖人、
山下俊輔に加え、松田弦の3氏に出品作を演奏して頂きます。



音も出来る限り色付けの無い音録りをお願いしてありますので判断材料になればと思います。
再生する機器によって聴こえ方は変わってくると思いますが、将来への可能性を感じて頂ける一助となれば幸いです。



今回出品のNo,71+セミRFの楽器は、宇高靖人氏の演奏で、お聴きいただけます。
今年5月の収録動画で概要欄にはNo.150とありますが正しくはNo.71です。


宇高靖人プロフィール


高知県立岡豊高等学校在学中よりクラシックギターを始める。桐朋学園大学短期大学部ギター科卒業。

第16回日本ギター重奏コンクール優勝。ギターデュオ「いちむじん」として'16まで12年間活動し、

福山雅治主演'10NHK大河ドラマ「龍馬伝」エンディング曲担当をはじめ、国内外各種メディアに出演するとともに

数々のトップアーティストと共演、常に注目を集める独創性豊かなCDを発表するなどクラシックギター普及に大きく貢献した。

作曲活動においては、アジア開催初となるラグビーWC2019VP音楽をはじめ、高知龍馬空港テーマ曲、アイゴッソ高知応援歌、

高知銀行ZEYOローンTVCM曲等担当。現在は、ギター名曲を主としたソロ活動を展開する他、フルートとのデュオ「アルボル」

フルート×ギター×語り?音とお話のユニット「おとばな」としても活動中。宇高音楽教室主宰(茨城県、東京都)

桐朋教育研究所桐朋講座ギター講師。桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。





それでは今回の奏者、宇高靖人氏による、No,71 +セミRFの演奏をお聴き下さい。


ティアーズ・イン・ヘブン


  https://youtu.be/SEBW0dE3TwQ?si=6M8UGvn1asaj2Oa3






ブーシェが自分自身の楽器について語った言葉ですが、

「人の命は短いが、私のギターはヴァイオリンのストラディバリウスのように300年のちまで美しく鳴り響くことでしょう。」


伝統的な手法で、しかもしっかりと剛性を持たせて製作されたギターは、数年、あるいは数十年弾き込んだ後に本来の持ち味が
発揮される様になるのですが、ブーシェオリジナルギターは更に300年という時間軸の流れの中で、時間かけてを弾き込む事で
楽器が熟成され、音の魅力を衰えることなく保ち続けることが出来るという、先を見据えての言葉だったのではと推察されます。

最近では新しい手法によって作られた、音量豊かな楽器が重用される様になりましたが、ブーシェオリジナルギター特有の鋼のような強靭な
音密度を持った楽器のほうが他の楽器の音に埋もれることもなく、より遠くまで音を送り届ける事が出来るという事も周知の事実です。

さらに特筆すべき事は音の伸びです。擦弦楽器や人の声のように音が伸びるギターが他にあるのでしょうか。
これはオリジナルブーシェギターだけが持つ特性であり、他のあまたある銘器と比較しても、ギターとは思えない、
次元の違う音の伸び、鳴り方に驚かされます。

正に唯一無二、孤高の存在感を持った楽器だと言えるのではないでしょうか。



プレスティ、ラゴヤの演奏


セゴビアをして、最高のギターデュオとまで言わしめたプレスティ、ラゴヤの、今回紹介した楽器と同じ3期の5本バーの
オリジナルブーシェギターを使用しての演奏記録からブーシェギターと正に一心同体とも言える演奏表現を行っていた感動すべき演奏を
以下で聴くことができます。

ラゴヤは今回紹介のNo,71の一年前の年の1959年にデュオの為にブーシェギターを購入。
プレスティとラゴヤはブーシェギターの最大の理解者でしたし最高の演奏家でした。
ブーシェオリジナルギターでしか聴くことの出来ない密度の高い芯のあるロングトーンをお確かめ下さい。


アルビノーニ アダージョ


  https://youtu.be/WD0UZXlozTg  


がっしりとした骨格で、しかも気品高い低音を味わって見てください。

マルチェッロ アダージョ


  https://youtu.be/-ETFq4iTMfY


そしてラゴヤがデュオの為に1959年にブーシェギターを手にした後の1960年代の演奏で、ブーシェギターでしか聴くことの出来ない
キリッと締まった高音や音の伸びをお聴き下さい。

グラナドス  オリエンタル

  https://youtu.be/V6i2KXR-gf4




生涯に154本


ブーシェは生涯を通して製作本数154本という寡作ゆえ、今や一般のギター愛好家が手にする事が出来るような楽器では無く、実際に
コンサートで生演奏を聴いたりする事も難しく、ブーシェギターの生の音を聴くことが難しい時代なったのではと思われます。


これからは益々ブーシェギターの音を聴く機会は過去の物となって行くのではと思えてなりませんし、ブーシェギターの本質を
理解して音楽表現にまで高めることの出来る演奏家が出てくる事を期待して止みません。



今回、2021年最新作 BM-Ⅱ ブーシェモデル (1960年製作 No.71 ブーシェギターの写し)に、セミRFを組み込むという新たな試みの
楽器ですが、伝統と革新の融合の成果の程を感じて頂ければ嬉しく思います。



製作にあたり、音以外にも忠実な再現を試み、表板厚,力木厚 形状、駒下トラベルスバー高さ、形状、ライニング、力木受け形状
材質、駒 形状ヘッド、ネック厚形状、バインディング形状等、細部に渡り可能な限りの再現を試みていますが、本作はRFですので
音響への効率が高い分、全体に少し剛性を上げています。
口輪に関してはイメージです。






RF(レイズド・フィンガーボード)というのは指板が持ち上がっていると認識されている方が殆どだと思いますが、実際には反対に
表板がネック方向に向かって沈み込んだ分をネックで補正したのがRFという手法で、それにより駒への弦の角度を変えることで
より良く音響効果を上げようという方法です。

低音の重量感の増大や、音の立ち上がりも良く、和音の構成音もより明瞭に感じられます。

本作はRFとはいえセミRFですので演奏にも違和感が少なく、ハイポジションでの演奏も実に楽に行う事が出来ます。


ロベール・ブーシェ作 1960年 No.71の再現モデルに加え、セミRという新しい装いのこの楽器の可能性の程を感じて頂けましたら
嬉しい限りです。



ブーシェオリジナルギター 1960年作 No.71の仕様は表板スプルス、横裏ハカランダーですが、本作はスプルス、
インディアンローズウッドの仕様です。


仕様

表 スプルス  横裏 インディアンローズウッド  ネック セドロ  指板 黒檀(Rつき) 駒 マダガスカルローズウッド 

ヘッドプレート  マダガスカルローズウッド    塗装 オールセラック

弦長 650mm  指板幅 52mm  弦幅 ナット 42mm サドル 56mm   弦高 12フレット 1弦 3mm 6弦 4mm

サドル残量 1弦  2,5mm 6弦 3mm

糸巻 ゴトー 35AR3600T 総重量 1,610g 弦 低音 オーガスチン赤 高音 ハナバッハ黒


価格 770,000円


送料無料 ケース付き。



落札された後もメンテナンスは私、川田一高が責任を持って行いますので安心してご入札下さい。

本作を通してブーシェギターの持つ魅力や、セミRFが加わることでのオマージュとしての新たな可能性の程を
実感して頂く事が出来れば望外の幸せです。

ぜひご自分の手で、この楽器を育ててみたいと思われる方のご入札を心よりお待ち致しております。

ただ、新規の方や評価がマイナスの方の入札はご遠慮下さいます様お願い致します。
又、質問欄への不適切な質問には返答致しかねますのでご了承下さい。

最後までお読みいただき有難うございました。
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