内容は言わずもがな。
ラインナップは興味深い豪華名手揃い(但しリリース時には参加ミュージシャン・クレジットは契約の関係上記載されておらず、諸説がございます)。
故Tony Ashton(Key、Bass Pedals、Vo、ex-Ashton, Gardner & Dyke)、故Jon Lord(Key、当時Deep Purple、後にPaice, Ashton & Lord、
Whitesnake他)、
御存知!Ian Paice(Ds、現Deep Purple、後にPaice, Ashton & Lord、Whitesnake、Gary Moore)、
毎度御馴染み故Cozy Powell(Ds、ex- Big Bertha、第二期Jeff Beck Group/Bedlam/Cozy Powell's Hammer、後にRainbow/MSG/
Whitesnake/Emerson,Lake & Powell/Forcefield/Black Sabbath/Brian May/Peter Green Splinter Group他)、
Ron Dyke(Ashton, Gardner & Dyke、後にPat Travers Band)、
Terry Cox(Ds、ex- Pentangle、Alexis Corner/Bert Jansch/John Renbourn/Elton Johnセッション他)、
Gerry Conway(Ds、ex-Pentangle/Fairport Convention/(かのRoger Gloverプロデュース)Rupert Hineセッション他)、
御存知!Ronnie Wood(G、現The Rolling Stones、ex-第一期Jeff Beck Group/The Faces/David Bowieセッション他)、
驚きのPeter Frampton(G、ex-Herd/Humble Pie)、
(この両名は初期録音セッション出の参加の感)
Mick Grabham(後にProcol Harum)/Mick Leiber(ex-Aston, Gardner & Dyke)/御存知!Big Jim Sullivan/
Caleb Quaye(後にDaryl Hall & John Oates他)/Colin Green(Elton Johnセッション他)/(G)、驚きのB.J.Cole(G)、
Frank Ricotti(Per、Vibraphon、ex- National Jazz Orchestra、後にSimon Phillips/Mo Fosterセッション他)、
Dave Caswell(Trumpet)、Howie Casey(Sax)、
コーラス隊としてDoris Troy/Dave Nevin等の他、
かのプログレ系で御馴染み名バンド”Capability Brown”の面々Jo-Anne Williams/Graham White/Kenny Rowe/Tony Fegurson/Roger Willis、
以上が参加となります。
故Tony Ashton/故Jon Lord両名によるプロデュース。
エンジニアではかの故Martin Birch(”De Lane Lea Studios”での録音担当)、
Geoff Emerick(”Apple Studios””Air Studios”での録音担当)他が参加という興味深いもの。
1971年11月17日英国ロンドン”Apple Studios”(1)、18日”Air Studios”(6)、
1972年10月31日~11月英国ロンドン”De Lane Lea Studios”(2・5・7・8・9)、
1973年3月英国ロンドン”Island Studios”(2・9追加録音)、8月29日/秋頃英国ロンドン”Air Studios”(3・4)という断続的な制作となります。
Tony Ashton & Jon Lord の共作アルバムで、後の紆余曲折後に幻のバンド”Paice, Aston & Lord”に変貌するプロジェクトでございます。
そもそもアルバム自体がかのフィル・スペクターの御存知!”Wall Of Sound”に触発された事から制作されたもの。
音楽性としてはビッグバンド・ジャズ的なものをイギリス解釈のロック音楽に持ち込んで再構築してみました(←ここ重要)という感がございます。
フィル・スペクターとは申しますが................................
似た時代に(Jimi Hendrixの音楽をモチーフとして)ロック音楽への接近を図ったかのジャズ・オーケストラの巨匠故ギル・エヴァンスの影響も
強く見られる感がございます。
Gerry Conway/Terry Cox等々という渋いミュージシャンに加え、
故Cozy PowellやかのRonnie Wood/Peter Frampton等々興味深い人脈参加の”企画もの”非常に興味深い名手編成となっております。
また録音時期が異なる事で異なる演奏・アンサンブルとは言えど(リズム面が故Cozy Powellで統一の感が有り)見事な纏まりを見せ、
今作の独特な音楽性をその個性で生かすという感。
全編名手故Cozy Powell参加の感がございますが、故Cozy Powellを基礎にツインドラム編成を組む、パーカッションを加えるというものの模様。
故Cozy Powellは自身の演奏スタイルを音楽性に嵌め込み、楽曲の質を2~3ランク上げるという離れ業を既に演じている事がミソ。
第二期Jeff Beck Group時代からそうではございましたが、
その時代は本人曰く「特定のスタイルに合わせて演奏をしていた」との事で、若干窮屈さを感じていたもの。
ここでは初期とは言えどキャリアを積んだ事やセッション活動を通じて故Cozy Powell自身の演奏スタイルの評価が非常に高い事を認識して、
演奏アレンジに取り組むというもの。
今作は後のRainbow等々のHR/HM系の音楽性ではございませんが、
その音楽性で楽曲の良さと自身の演奏スタイルを生かすか?に腐心した感が窺えるものでございます。
後に「ワンスタイル・ドラマー」として揶揄される名手故Cozy Powellでございますが(.....ならば名手Omar Hakimはどうなる?)、
某ジャズ系巨匠名ドラマー曰く「Cozy Powellは世の中に様々な音楽がある事を熟知しているし、
様々なドラミングのスタイルがある事を彼は熟知している」との評が理解出来る感がございます..........................
リリース時は1974年。
(ジャンル問わずで)ブリティッシュ・ロックの転換点とも言われる時代(世界経済的にもそうでございますが.........)。
シーンの変化や音楽性の更なる細分化や商業化の有り方もあり、
(特にイギリスでは)こういう類の音楽性が肩身の狭い思いをする時代に突入していく時代でございます。
最後の輝きとも言える感がございます................................................................
現在では入手が困難。この機会に是非。
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