これはド傑作。1951年生まれ、米国はオハイオ州クリーブランド出身の異能ギタリストにして個性的な作曲家としても知られ、コーネル大学に在学中にはロバートムーグの電子音楽クラスに参加し、バード大学に在学中にはラズウェルラッドへも師事。後に大学院に進んでからはなんとモートンフェルドマンがこの人の指導教員だったという、単にアヴァンギャルド系ギタリストという以上にわりとアカデミックな出自を持つというのが後々のこの人の音楽的な核心となってもいるエリオットシャープの91年発となるソルジャーストリングスカルテットとカーボンとの共同名義による1枚。リリースはドイツのアヴァン系インディーズでアールゾイのスフェラトゥやデイヴィッドモスのデンズバンドなんかをリリースしていたEar Rationalから。まずはアルバム全体が3部からなる構成が取られていて、これは楽曲によっては演奏者を変えて構成するというコンセプトに基づいているものと思われ、最初の1、2曲がソルジャーストリングスカルテットが担当する11分と8分の弦楽四重奏曲。とは言うものの既に普通の弦楽四重奏という枠組みは吹き飛んでいて、全体の構成はポストミニマル経由の反復フレーズを基調としながらも、その周辺では異様に複雑な響きの綾が生成され、しかも破壊的でノイジーな発音作業を通常の弦楽セクションが展開させるわけなので、普通の現代音楽的な作法からはまずは出てこないような音響センスでもあって、このノイジーさはやはりロックミュージシャンとしても海千山千を潜り抜けてきたエリオットシャープが自然に体得した音響感覚でもって再度、現代音楽的な枠組みの中でブチ撒けてみた的な凄まじい響き。アールゾイやユニヴェルゼロとはまた別の系統から発生して最先鋭化したチェンバープログレの一形態とも捉えられ、もしもこれにドラムスとエレクトリックベースが加わっていたならと想像するだに恐ろしい衝撃的なトラック。続く3曲目はエリオットシャープが率いる特殊ロック楽団のカーボンに加えて創作楽器を演奏する5人の奏者を加えた18分の大作トラック。これもちょっとあまりにヤバ過ぎというか、こんなロックサウンドがかつて存在しただろうか?ってな異形的な音響世界であり、一応は定型ビートがかろうじて判別できる程度には脈動してはいるものの、恐らくは5人の創作楽器演奏者によるものと思われるアクースティックノイジーで廃品ガラクタ的な音響で合奏され、ここでのエリオットシャープのギター音までもが、針金を金属たわしでガシャガシャ引っ?き回したような摩擦音を発生させ続け、これらが合わさってアンサンブルがさらにトランス状態へと陥っていくという、曰く形容し難いロックサウンド。最後の4曲目は全てのインストゥルメンツをエリオットシャープ1人で演奏し、この音ネタを後からマルチトラックで多重録音ミキシングを経て完成させたと思われる10分のトラック。これは上記の3曲目の手法を今度は多重録音コンセプトに変換して、ミュージックコンクレート的な手法で構成されている悪夢のようなバッドトリップ系サイケデリックコラージュ的な音響世界。もう、ここまでくるとナースウィズウーンドとファウストとピエールアンリがお花畑でセッションしているようなって事で唖然。まずは必聴!!! ELLIOTT SHARP-twistmap(ear rational)
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