１９１２年生まれで１９９２年に故人となった実験音楽開闢の祖、ジョンケージと、片や１９１１年生まれで、１９７２年に故人となった米国はオハイオ州ナイルズ出身の詩人にして小説家だったというケネスパッチェンによるコラボレーションラジオ劇として、なんと１９４２年に制作され、実際に放送されたという伝説の録音をアヴァンギャルド系インディーズとして２０００年代初期に気を吐いたＴａｂｌｅ Ｏｆ Ｅｌｅｍｅｎｔｓが限定１０００枚でＣＤ化リリースしたものがこちら。収録されているものは、実際にこの当時、１９４２年にラジオ放送されたもののエアチェック音源と思われ、これが残されていたという事自体にまずはビックリ。で、この音源を元にＲＲＲｅｃｏｒｄｓというＴＮＢやライバッハなんかのブートレッグをリリースしているアンオフィシャル専門という恐るべき立ち位置のノイズ系レーベルから限定枚数でＬＰ盤リリースされていたものから、the city wears a slouch hatだけを抜き出してＣＤ化したというのがこのＣＤ盤。楽曲制作時の１９４２年と言えば、まだまだ実験音楽という認識それ自体が世の中にあったのかどうか？という状況で、音楽は音楽であって実験するものではなかろうという時代にこれを構想したジョンケージの頭の中で鮮明に鳴り響いていた途方もない感性のほうにまずは驚くというべきで、既にここにはこの後の前衛音楽から電子音楽～ミュージックコンクレートへの萌芽から、さらにジミヘンドリクスのアンプリファイドされたハウリングノイズの出現までもが暗示されているのが誰の耳にも明らか。要はあらゆる形態の得体の知れない響きが原初の状態で詰まっているという意味ではレゲエに於けるダブから現代のヒップホップ文化の音響的な側面は言うに及ばず、そこからさらに細分化していったエレクトリックな最前線に至るまで例外ではないという印象。次いで本編のオマケのように収録されている残りの２トラックについては、いずれもジョンケージの同系統の楽曲として著名なもので、２曲目のＣｒｅｄｏ Ｉｎ ｕｓ（１９４２年ヴァ－ジョン）と３曲目のＩｍａｇｉｎａｒｙ Ｌａｎｄｓｃａｐｅがそれ。この２トラックは１９７２年リリースのＬＰ盤４枚組ボックスセット、Ensemble Musica Negativa - Music Before Revolutionという現在では入手困難なオムニバスアルバムからの抜粋。いずれもこれでしか聴けないヴァージョンなので貴重と言えば貴重。Ｃｒｅｄｏ Ｉｎ Ｕｓについてはさらにイントロ部分に短波ラジオが勝手に？謎の付け足しがされちゃってるのが不思議。まあ、要はブートレッグのそのまたブートレッグみたいに勝手にリリースしちゃったＴａｂｌｅ Ｏｆ Ｅｌｅｍｅｎｔｓの武勇伝とも言える一撃だったため、Ｄｉｓｃｏｇｓでは当然のように販売禁止状態に。ということは今後の再発も絶望的なわけで、実にマニア泣かせの珍作がこちら。JOHN CAGE AND KENNETH PATCHEN-the city wears a slouch hat(table of elements)

コンディション：★盤は中古盤として並品（軽いキズ、スレがあります。音トビ無し、再生に影響無し）、ジャケットは中古盤として並品（目だたない程度のスレ、キズ、経年のヨレがあります。端にツメの噛み跡あり）、プラケースは中古盤として並品（スレ、キズが散見されます、ヒビ割れがある場合もあります）★プラケースは経済的理由により新品に交換できません。予め消耗品としてお考えいただけますと幸いです★その他詳しいコンディションにつきましてはご入札前にご質問欄からお問合せください。あくまで中古盤という性質上、完璧なコンディションをお求めの場合はご入札をお控えくださいますよう、よろしくお願いいたします★

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