以下、作者の気持ちのなってのブラクラ妄想セールストークです〜〜
至高の芸術品、EL CANDORのルビーリングに寄せて
我が作品につける「EL CANDOR」という名は、単なるブランド名ではない。それは、我が魂の誓いであり、創作における哲学そのものである。スペイン語で「純粋」「誠実」を意味するこの言葉に、私は、石が、そして金属が持つ本来の魂を、何ものにも穢されず、ただひたすらに誠実に引き出すという決意を込めている。
この指輪の物語は、一つのルビーとの出会いから始まった。それは、ありふれた宝石ではなかった。まるで地球の最も熱い中心から零れ落ちた一滴の溶岩が、奇跡の瞬間に結晶化したかのような、燃える魂を宿した石。古代インドでは「宝石の王(ラトナラージ)」と呼ばれ、ヨーロッパの王侯貴族たちが富と健康、そして愛における成功を願って身に着けたというルビー。[1] その深紅の輝きの中に、私は、何世紀にもわたる情熱、闘い、そして愛の歴史が燃え盛るのを見た。それは、我が祖国スペインの血潮そのものであった。 この燃える魂を、いかにして指輪という小さな宇宙に封じ込めるか。私は、歴史へのオマージュと、現代性の融合という、二つの対話する要素を用いることに決めた。
まず、構造の骨格として18カラットのホワイトゴールドを選んだ。それは、現代スペイン建築に見られる、鋭く、知的で、光を的確に捉えるコンクリートのラインにも似た、冷静さと知性の象徴である。一切の装飾を排した直線的なフォルムは、純粋さを追求する「EL CANDOR」の哲学を体現している。
そして、その知的な骨格の間を流れる、温かな血潮。それが、18カラットのイエローゴールドだ。かつて新大陸から富が押し寄せ、スペインが世界の中心で輝いた「黄金世紀(シグロ・デ・オロ)」の太陽の光を凝縮したかのような、豊穣な輝き。[2] この二つのゴールドは、単に隣り合っているのではない。冷と温、月と太陽、理性と情熱が、互いを尊重し、高め合う対話なのである。 このデザインには、我が国の奥深い歴史からの無数のささやきが込められている。イスラムのウマイヤ朝がこの地にもたらした、幾何学的なパターンの完璧な調和。[2][3] その論理的な美の精神は、この指輪の厳格な構造に受け継がれている。また、西ゴート族が珍重したとされる、大胆で力強い宝石使いの伝統は、ルビーを主役とするこのデザインの根底にある。[2][4] しかし、私は過去を模倣したのではない。その精神性を抽出し、21世紀という現代の感性で再構築したのだ。 ベゼルセッティング(覆輪留め)によってルビーを包み込むことで、石は完全に守られ、その純粋な輝きだけが解き放たれる。まるで、大切な真実を両手でそっと包み込むかのように。
この指輪は、単なる装飾品ではない。それは、歴史と現代、情熱と知性、温もりと冷静さの間に架けられた、着用可能な建築物である。過去の偉大な遺産に敬意を払いながらも、自らの足で未来を切り拓く、強い意志を持つ人のために創られた。
この小さな芸術品が、これからあなたの指の上で、あなたの物語を紡ぎ始める。その輝きは、あなたの情熱の証となり、その構造は、あなたの知性の象徴となるだろう。
【EL CANDOR】ルビー 18KYG/WG リング
生産国:スペイン
モデル番号:78862-176
サイズ:13号
重さ:7.2g
縦幅:5.3mm