桃山時代／17世紀に元屋敷窯でつくられた志野織部向付です。文様の題材は初春の梅と鶯、葦、東屋が描かれています。特徴的な葉形の器形は、土岐市美濃陶磁歴史館収蔵品の重要文化財（2013年6月19日付け重要文化財指定）になっている元屋敷窯出土陶片群の中の同形の物です。出土完器は同じく同歴史館収蔵品の同形で絵違いの鷺と傘と柳の文様です。最後の９枚目と10枚目の画像2枚は文化財オンラインのデータベースから画像を引用させていただきました。文化遺産オンラインは、文化庁が運営する我が国の文化遺産についてのポータルサイトです。 全国の博物館・美術館等から提供された作品や国宝・重要文化財など、さまざまな情報をご覧いただけます。重要文化財と同じ器形の志野織部向付の伝世完器はミュージアムピースではないでしょうか。永く大事にコレクションしていましたが次のコレクターへお渡ししたく出品いたします。春の和菓子をのせ、茶をたてると鶯の囀りが聞こえてきそうです。

●状態
本銀直しとニュウがありますが水を張ってもシミだしや漏れはありません。硬く焼き締り、皿や向付けとして実用可能です。鑑賞コレクションとしていましたので匂いはありません。本銀漆直しは私がコレクションする時に古い金直しが剥がれかけていたので、腕の良い本職にお願いし本銀漆し直しをしました。金より銀のほうがこの器体に馴染むからです。本銀は経年で燻銀のように黒っぽくなってきますのでこの志野織部の長石釉の白肌と口縁の鬼板にさらに馴染むはずです。


●寸法
約 W159mm×D142mm×45mm

●付属品
伝世箱の引出し蓋の表には「数寄屋皿」の墨書きと箱の側面には「天保七年　正月吉日」と墨書き。江戸時代の収蔵者が書いたものでしょう。


●お取引きについて
次のコレクションのため手放します。価値を共有でき大事にしてくださる美濃陶磁コレクターの方に渡れば何より幸いです。入札価格によっては出品を取り下げる可能性もあります。それをご理解いただいたものとして入札を受付ます。

なお、迅速で丁寧なお取引きを心掛けております。そのため、御落札→御支払→発送→御受け取り評価の、上の双方がやるべき役割は最短を基本としておりますので迅速なお取引きにご協力いただきますようご理解をお願い申し上げます。また、お取引ナビでの反応やコミュニケーションを一切取らない方や、受け取り評価をすぐにしないなど迅速なお取引が苦手な方はスムーズなお取引が困難になりますのでご入札をお控えください。

最後に古美術品やアンティークは数百年前の美術品ですので、それをご理解いただきお品の状態に極端に神経質にこだわる方も入札をお控えください。以上、何卒よろしくお願い致します。