真空管式　FMラジオ　ナショナル　EF-850

■FM AM SW 3バンド トランスレス スーパー

　昭和37年(1962年)の製造 マジックアイ付き FMラジオです
　この時代 製造技術の発展著しい日本メーカーは コスト面での優位性もあり大発展の時代です

　ナショナルの小型FMラジオは EFとREの2シリーズがありますが記号に続く番手の数字が同じなら
　ラジオの内容は同じものの様です、流通経路が違うのか販売形態が違うのか 理由は判りません

　このEF850型は FMフロントを17EW8 とした大半のメーカーが採用している最もスタンダードな回路
　と思われます

　FM電波の弱い当方ですので 心配を抱えて取り掛かりましたが 完了してみれば感度良好でした

■苦労したのはキャビネットの修復
　オリジナルのサランネットは当時の高級ステレオ等によく使われた黄色と茶色の輝く様な織柄で
　その布がコテコテに汚れていましたが 完全に洗濯すればよいと 余計にファイトが湧く始末

　ところが この布 洗濯不可なのか 又は使った洗剤がマズかったのか 黄色の光沢繊維が溶け出す
　大失敗 別の布探しからの再出発となりました

　布のストックケースを探しまわって取り出したのは 黒に金ラメの超伸縮性の布 切れっぱしですが
　引き伸ばせばいくらでも伸び 寸法OKと見てホッチキスで止ては伸ばして貼り替え完了しました

　もう一つの困難はフロントの金属装飾モール
　錆と腐食でメッキが浮きあがって激しく凸凹　研磨機をいくら掛けても平坦になりません、諦めて
　砥石で擦って少しでも平坦に近づけてシルバーのラッカースプレーで終りとしました

■完了して
　黒のキラキラ布が星空の様で意外にも綺麗です、ハムは殆ど無く効きやすいソフトな音です
　FM感度は全帯域に平均のとれた状態と思います
　AM感度は問題なく良好です、SWも良好です


■修復
　・キャビネット　　　サランネット貼替え　黒に金ラメの伸縮地
　・前面額縁　内側　　白ラッカー塗装
　・メラミン外板　　　小傷や取れない無汚れ除去の為 #400研磨　クリアラッカー塗布
　・ダイヤルパネル　　全域に大小のキズがあり コンパウンド研磨
　・裏蓋キャッチ下部　ゴム製欠損の為　木製で自作

　・シャーシー内　　　ケミコン　オイルコン　全数取替
　・ボリューム　　　　トーン用　音量用　共　復活材吹き込み
　・マジックア　　　　12ZE8 新品に交換
　・バリコンゴム　　　フロント部の2ケのみ交換

　・その他　　　　　　マジックアイ ON-OFF スイッチを付けました　正面の赤色ボタン
　・外部機器接続　　　3.5φジャックを付けました　音量はラジオのボリュームで操作OK
　　　　　　　　　　　
■付属品
　・外部機器接続コード　両3.5φプラグ付き
　・FM用アンテナ線　端子付き
　・AM用アンテナ線　SWと共用です
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■交換品目
　ACコード、オイルコン ケミコン全数、ダイヤル糸、アンテナ線、マジックアイ 12ZE8、バリコンゴム
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■使用真空管
　17EW8 12BE6 12BA6 12BA6 12AV6 30A5 12ZE8 整流ダイオード SD-1

■寸法
　幅 48 Cm 高 26.5 Cm 奥行 16 Cm


■発送
　ヤマト宅急便　１２０サイズになります　緩衝材はリサイクル品を使用しています