本系譜は、清和源氏の流れを汲む経基王（正四位上 太宰大武領主府将軍）を祖とし、摂津源氏の満仲（正四位下 摂津守領守府将軍）を経て、満政（左衛門尉）→満李（佐渡判官）→満成（多田出羽介）→忠重（陸奥守）→定宗（駿河守）→重宗（佐渡前司）→重實（八嶋冠者）と続きます。これらの人物は地方官職を歴任し、やがて信濃国浦野荘を本貫とする滋野氏流の一族へと接続しました。

その後、重遠（信濃守）→重房（左衛門尉）→重勝（浦野弾正）へと至り、浦野氏は戦国期に上野国吾妻郡大戸城を拠点とする国衆として確立しました。重勝は大戸城主として武田信玄に従属し、永禄七年二月七日付の武田信玄判物と整合する記録が本系譜に残されています。

特筆すべきは、武田信玄から浦野氏に下賜された備前長光の太刀に関する記述です。系譜には、戦乱の中で長光が敵方に奪われ、激戦の末に取り戻されたこと、そしてその後、重隆（主税后）に継承されたことが明記されています。これは単なる刀剣由緒ではなく、戦死を伴う奪還劇として記録されており、武家の忠義・名刀の象徴・家中の継承意識が凝縮された極めて貴重な史料です。

以降は、重年（三河守）→勝延（美濃守）→重賢（新四郎后）→重隆（主税后）→重信（主膳）と続き、江戸期以降も家系は継承されました。系譜には豊臣秀吉・上杉景勝・伊達政宗といった戦国大名の名も登場し、戦国史研究においても注目すべき内容を含んでいます。

これらの内容はウィキペディアの浦野氏で出てくる内容ともほぼ合致しております。

また面白いと思える点がこのような系図はあまり良くない内容は(家系の体裁を守る為)あまり描かれてないのですがこちらの系譜には良くない内容も包み隠さず描かれておりリアルな家系図、系譜だと思います。

また、朱墨で追記のような後書きのような部分も見て取れます。

- 長さ約8mの長巻構造。
- 紙は黄変したクリーム色で漉きムラがあり、巻頭は柔らかく、巻末はしっかりとした質感。
- 繋ぎ目は20〜30cm間隔で継がれ、糊の酸化による変色が確認できる。
- 墨は黒々とはしておらず茶色化し、筆線には揺れや裏面への滲みが見られる。
- 巻頭と巻末で筆圧・筆跡が異なり、複数世代にわたる書き継ぎが確認できる。
- 訂正部分には朱墨が用いられており、当時の書風を伝える。

本系譜は「地方の無名系譜」とは異なり、源氏から浦野氏へと続く系譜を明確に示し、戦国期の一次史料を含み、江戸期に家中で公式記録としてまとめ直し、後世まで書き継がれた肉筆系譜です。
- 研究者様にとっては、武田信玄判物との整合性や戦国大名との接点を裏付ける史料。
- 刀剣コレクター様にとっては、武田信玄から下賜された備前長光の由緒と奪還・継承の記録を伝える唯一級の史料。
- 戦国武将コレクター様にとっては、城主系譜としての格を持つ家系図。

上記の説明は当方が個人的に調べ解釈した内容になります。
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（2025年 12月 15日 23時 59分 追加）
追記にはなりますが松川の合戦の事も記述されております。