こんな地味なジャケットでこの内容を想像できる人なんてまず居ないというか、なんと収録曲が1曲38分の大作のみという事からしてヤバい本作、このバンドの発端は米国はアリゾナ州出身で、アリゾナ大学の学生だった2人、ジョンガルブレイス(ギター、ベース、フルート、作曲)とクレイグビーベ(キーボード)によって開始され、当初は自作曲で70sクリムゾンやアングラガルド影響下のインストゥルメンタル曲でリハーサルを重ね、本作の録音直前にドウドレイパー(ドラムス)が参加する形でトリオ編成として正式にバンドが結成されたという経緯のマクスウェルズデーモンによる2001年発のデビュー作がこちら。リリースは完全な自主制作によるもので、規格番号がXYZZY-1とだけあるレーベル無の現在では意外な入手困難盤。本作以後は2作目を2009年にリリースしたきりで音沙汰が無く、恐らくは解散したのかどうかといったところ。で、まずは内容の前にこの3人、けっこうな機材マニアだったようで、特にキーボード奏者のクレイグビーベの機材クレジットが壮観で、メロトロン400、ハモンドB3、レスリー122、プロフェット5、メモリームーグ、ミニムーグ、オーバーハイムOBXAっていう事でもう、相当にファナティックなプログレフリークだったのが良く解る次第。因みに作曲は弦楽器奏者のジョンガルブレイスで、こんな鍵盤楽器の迷宮みたいな楽曲をギタリストが製作したっていう事で言っても逆に斬新な要素が加味できたのかもしれず、とにかく2000年代以降の自主制作プログレ系としては再評価が必須なほどのマニアックな衝撃作。内容は70年代ヴィンテージな重々しい響きのキーボード群で埋め尽くされ、アンサンブルの練度はB級の枠内とはいえ特にメロトロンの使用法は堂に入っていて、イタリアンプログレ調の激しくも歪な展開にバンコやコテベルほどの華麗さは無いけれどもプログレセンスは完全にそっち向きな迷宮型シンフォニックロック。必聴!!! MAXWELLS DEMON-prometheus(not on label)
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