南米アルゼンチンはブエノスアイレス拠点で1974年頃の結成として知られる純正プログレッシブロックバンド、アラスの76年発となる1作目。オリジナルLP盤のリリースはアルゼンチンEMIから。で、こちらの再発CD盤はProgressive World Wideからの96年版となり、本作の再発CDとしては最も初期のヴァージョン。注目はオリジナルLP盤には未収録のシングル盤からAB面2トラックをボーナス収録し、これもアルバムでの方向性ををさらにシンフォニッックロックへと凝縮したような素晴らしい内容。編成はグスタヴォ・モレット(各種キーボード)を中心にアレックスズーカー(エレクトリックベース)、カルロスリガンティ(ドラムス、パーカッション)による布陣。本作ではキースエマーソンばりのテクニカルなキーボードを演奏しているグスタヴォ・モレットはアラス結成以前はアルゼンチンのサイケプログレ系でアルバムも数多く残しているアルマイヴィダの創設期からのメンバ-として74年の4作目まで参加。元来はトランペット奏者が本職で、アルマイヴィダでもやはりトランペット奏者としての参加となっていて、数年後にはまるで別人のようにキーボード奏者としてアラスで再登場するなど、この当時の誰もが予想もできなかってあろう変貌ぶり。本作ではグレッグレイク直系のゴリゴリしたピック弾きベースでインパクトを放つアレックス・ズーカーはこの3人の中では最も無名な演奏者で、アラス以前は恐らくはスタジオセッションミュージシャンとしての活動がメインだったと思われ、確認できるところではフォーククロック~ブルースロック系のPedro Y Pabloの72年の2作目に参加していて、この後にアラスに合流。この人のキャリアとしてはそれまでの浮上できないセッションマンという立ち位置から突如シーンの最前線で活躍できる場を、アラスに参加できたという事で見事に果たしたといった風情。カールパーマーにクリソツなドシャメシャ感で炸裂するドラムスのカルロス・リガンティはアラスへの参加以前はアルゼンチンのサイケプログレ系の最初期のグループの一つとして知られ、72年にアルバムも残しているマテリアグリスのメンバーだった人で、この後アラスへ合流。アラス解散後は70年代のアルゼンチンでは最も売れっ子のセッションミュージシャンとして活躍といった流れ。で、本作の内容としては端的にってキースエマーソンのELPとチックコリアのリターントォフォーエヴァーが最良のエッセンスだけで精製されたような音楽性といえばそのものズバリ。演奏は全編で異常に難儀な拍節感を伴うキメフレーズがビッシリと敷きつめられながら炸裂に次ぐ炸裂を繰り返し、トップギアスピードとスローダウンによる切り返しから突如フリーインプロシゼーションパートに突入し、サイケデリックでアブストラクトな音像が現出するなど、このタイプのプログレッシブロックバンドとしては類例のないアプローチで緩急を付け、これだけコテコテの迷宮型シンフォニックキーボードプログレ志向なのにこの涼しい風が吹き抜けていくような感覚はグスタヴォ・モレットのジャズミュージシャンとしての出自を感じさせる部分。ALAS-same(progressive rock world wide)
コンディション:★盤は中古盤として並品(軽いキズ、スレがあります。音トビ無し、再生に影響無し)、ジャケットは中古盤として並品(目だたない程度のスレ、キズ、経年のヨレがあります。端にツメの噛み跡あり)、プラケースは中古盤として並品(スレ、キズが散見されます、ヒビ割れがある場合もあります)★プラケースは経済的理由により新品に交換できません。予め消耗品としてお考えいただけますと幸いです★その他詳しいコンディションにつきましてはご入札前にご質問欄からお問合せください。あくまで中古盤という性質上、完璧なコンディションをお求めの場合はご入札をお控えくださいますよう、よろしくお願いいたします★
★送料(ユウメール):CD1枚¥180、CD2枚¥215、CD3枚~4枚¥300★郵便料金改定に伴いまして(CD5枚以上は枚数制限無し)及び(LP盤1枚~2枚)は定形外郵便(規格外)での扱いとなります。送料は¥500★