絶版希少本 曼荼羅図説（長谷寺版両界曼荼羅現図種子図全6枚揃付）曼荼羅における密教図像配置 曼荼羅解説
仏教美術 仏画
吉祥真雄 著
山城屋文政堂 藤井佐兵衛 （藤井文政堂）
昭和47年増訂版
206ページ
約22ｘ16ｘ2.8cm
函入 堅表紙上製本
単色
※絶版
※別刷り曼荼羅図 現図・種子図・諸尊配置図 胎蔵界/金剛界各2枚、全6枚揃い 現図寸法 約60ｘ40cm
戦前に発行された同タイトルの復刻版。（昭和10年、1935年刊行）
発行元の山城屋文政堂/藤井佐兵衛/藤井文政堂は文政年間（1818～1829）創業、真言宗専門の図書出版・販売の老舗。
別紙付録として、大判の長谷寺版の胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅の現図と、それぞれの種子図・諸尊の図像配置図あわせて全6枚が揃っています。現図の寸法約60×40cmと大判で、長谷寺の両界曼荼羅を細部まで見ることができます。
曼荼羅とは何か、曼荼羅の歴史、曼荼羅の用途などの概説に始まり、胎蔵界曼荼羅・金剛界曼荼羅についての総説、構図構造、各部に描かれた密教図像とその三摩耶形、種子梵字とその意味するところや役割、用途などを詳しく解説。
ほかに雑曼荼羅の項では、両界曼荼羅以外の数種の主要な曼荼羅（蘇悉地経の曼荼羅、普通集会曼荼羅、尊勝仏頂曼荼羅、千手観自在曼荼羅、阿弥陀曼荼羅、北斗曼荼羅）についても、図版や図表をもちいて詳細に図解したもの。
全文旧字体の旧仮名遣いです。特にこの分野の書籍は、旧字体でないとそれぞれの漢字が持つ本来の意味合いを表現できない用語が多いため、あえて現代の字体でない方が適していると思われます。
仏教美術、密教美術、密教図像、仏像、仏像彫刻、仏画、掛軸など、鑑賞や鑑定、研究、作品制作などにも欠かせない知識満載の、大変貴重な資料本です。
(全文旧字体旧仮名遣いです。ここでは文字化けしないよう現代の漢字に一部変換して表記します。)
【目次】
第一編 序論
牛乳と曼荼羅
見える曼荼羅と見えぬそれ
吾等の身心の曼荼羅
一門普門都部別部
両部図画の起原
両部曼荼羅の伝来
両部曼荼羅図絵の用途
第二編 胎蔵界曼荼羅
胎曼総説
中台八葉院
持明院
遍知院
観音院
金剛手院
釈迦院
文殊院
地蔵院
除蓋障院
虚空蔵院
蘇悉地院
外部院
第三編 金剛界曼荼羅
金曼総説
成身会
三昧耶会
微細会
供養会
四印会
一印会
理趣会
降三世会
降三世三昧耶会
第四編 雑曼荼羅
蘇悉地羯羅経 奉請成就曼荼羅 補闕少曼荼羅
成就諸物曼荼羅 通三部秘密曼荼羅 被偸物却徴曼荼羅
通三部成辯諸事曼荼羅 灌頂曼荼羅 光顕曼荼羅
普通集会曼荼羅
尊勝仏頂曼荼羅
第四 千手観自在曼荼羅
第五 阿弥陀曼荼羅
三尊形式 五尊曼荼羅 五十二身像 八大菩薩曼荼羅八大菩薩曼荼羅の二 九品曼荼羅 一菩薩八如来曼荼羅 五尊月輪曼荼羅
第六 北斗曼荼羅
＜口絵＞
胎蔵曼荼羅（長谷寺版）
金剛界曼荼羅（長谷寺版）
金剛界一印会（高雄曼荼羅）
金剛界四印会（東寺曼荼羅）
胎蔵界曼荼羅持明院（上）金剛界宝生仏（下右）同不空成就仏（下左）（妙法院版）
胎蔵界種子曼荼羅（高貴寺蔵）
金剛界供養会種子曼荼羅（金剛界大曼荼羅図（石山寺本）大正蔵図像第一所載）
尊勝仏頂曼荼羅（曼荼羅集 興然 大正蔵図像第四所載）
北斗曼荼羅（宝菩提院蔵）
大日経疏の曼荼羅
胎蔵図像の曼荼羅略図
胎蔵旧図様の曼荼羅略図（胎蔵旧図様）
現図胎蔵界曼荼羅略図
大日如来（御室版曼荼羅）
開敷華王仏（同）
八葉院の普賢菩同）
持明院の般若菩薩（同）
一切如来印（胎蔵図像）
観自在菩薩（御室版曼荼羅）
馬頭明王（同）
金剛薩土垂（同）
転倫仏頂（同）
普通仏頂（胎蔵旧図様）
文殊菩薩（御室版曼荼羅）
除蓋障菩藍（胎蔵旧図様）
宝手菩薩（御室版曼荼羅）
宝印手菩薩（同）
虚空蔵菩薩（胎蔵旧図様）
除蓋障菩薩（御室版曼荼羅）
不思議慧菩薩（胎蔵図像）
大慈出超菩薩（同）
地蔵菩薩（胎蔵旧図様）
八方天配置図
九会曼荼羅配置図
成身会諸尊配置符図
宝波羅蜜菩薩（御室版曼荼羅）
金剛業菩薩（同）
金剛愛菩薩（五部心観）
大日如来の三昧耶形（御宝版曼荼羅）
金剛法菩薩（五部心観）
不空成就如来（御室版曼荼羅）
金剛牙菩薩（同）
金剛宝菩薩（同）
大日如来（同）
理趣会種子曼荼羅（金剛界大曼荼羅図）
金剛薩土垂（御室版曼荼羅）
触金剛菩薩（同）
降三世会の一部（同）
補闕少蓮華部曼荼羅（密教発達志）
通三部秘密曼荼羅（同）
通三部成辨諸事曼荼羅（同）
普集会曼荼羅その一
同 その二
尊勝仏頂灌頂曼荼羅（尊勝儀軌）
千手観自在曼荼羅その一
同 その二
同 その三
同 その四
阿弥陀曼荼羅その一
同 その二
同 その三
北斗曼荼羅その一 寛助様
同 その二（四家鈔図像）
同 その三
同 その四（四家鈔図像）
同 その五
同 その六
（文字化け、誤字脱字ご容赦ください）
【第一編 序論】 より一部紹介
第一 牛乳と曼荼羅
曼荼羅てふ語は多く翻訳せられずに梵語のまま用ひられているが、之を訳すると壇の義又は輪円具足の義であると云はれて居る。それで祭壇供養壇等を曼荼羅と云ひ、又は祭場を円く区切ったもの、或は花環などの意味に解することもある。然し此の曼荼羅（Mandala）の語原は牛乳を精製して酥を作るのに、その精粋なるものが集まりて成熟せるを意味するのである。『大日経疏』第四に
梵音漫茶羅是徭牛酪成酥之義也（略）曼荼羅。
と釈してある。密数に於て曼荼羅と云ふのは教義上の心髄精粋を牛乳の曼荼羅に譬へて表はすのである。然らばその心髄精粋とは何かと云ふに（以下略）
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