■ステレオ時代最初期の製品ながら、現代を代表するOrtofon, Shure, Denon, そしてAudioTechnica等の人気カートリッジを凌駕する独特の音楽性を持つエラック製MM形ステレオ・カートリッジですが、同シリーズ全9機種(STS200,210,220,222,240,300,310.322,333)中の記念すべき初号機です。
オーディオ機器の音質としては、全力投球の開発初号機が一番素晴らしく、後継機は改良と引き換えに何かが失われて行くのは、JBL、ALTEC等のSPユニット名器群の歴史と酷似しています。
エラックのこの初期ヴィンテージ・シリーズでも、初号機のみは一段と強力な太いマグネットが採用されていましたが、後続機の発売と共に小型化され、最後期のSTS322,333 では時代の要請に合わせ更に一段と小型軽量化されました。
その後に市販された多くの互換針を含め、針の外観はほぼ共通で全機種共通で使用出来ることから、音質に大きく影響する付属針のマグネットのサイズはまちまちで、分解して見ない限り分かりません。
従って残念ながら、年月の経過とともに起こるダンパーの劣化、固着現象を含め、今となっては本シリーズの音質は、本体(=機種)の差よりは、運(=偶々付属の交換針の質)によるところが大きいと言えます。
本機にもその貴重な極太オリジナル針が付属していたのですが、残念というか当然というか、ダンパーの変質による歪の発生で、後継機の初期オリジナル優良針(下記*注)と交換してあります。
◆本体には、目立つ傷、錆、汚れはなく、経年を考えると稀少な美品です。
動作確認済の写真のシェルに取り付けた状態での出品です。
◆付属の針(No.130Ⅰ)は、大型ダイヤブロックを金属シャンクに埋め込んだ初期のオリジナル針ですが、経年劣化したダンパーを当方で交換改造して音質を高めたものです。
ホルダー(スリーブ)、カンチレバーに経年に伴う変色、汚れが見られますが、チップの摩耗は殆どありません。
◆標準の指定針圧は「2.5~4.5g」ですが、まずは2.5~3.5g前後でお試し下さい。
*+【注】当方では、将来Elac交換針の在庫が払底し、且つ多くの流通品もダンパーの経年劣化で動作に不満がある現状を見据え、かなり以前からダンパーの交換改造に取り組み、単なる復旧というよりは、より音質を高める方向での研究を続けています。 併せて、接合針のダイヤチップ剥落事故も多いことから、既存国産針から適合するチップを抜き取り、Elacに移植する復元作業でも経験を積んできました。
個人の作業ではありますが、Elacに惚れ込み、専門に注力して来ましたので、その結果には従来品の延長線上から飛躍した新しい世界が開けたと自負しております。
常識的な市販のカートリッジでは得られ難い、この新しい世界を是非ご経験して戴きたいと思います。
◆◆ 当方では、従来型Elac交換針の①「ダンパー交換修理」、と②破損パーツの下取り、をお請けしていますので、参考資料を同封いたします。 もしご興味がありましたら別途ご連絡ください。
■■USEDビンテージ品にご理解と愛情をお持ちの方のNCNRでのご入札をお願い致します。
■■発送は「ゆうパック」(60サイズ)、を予定。