Joss Stone Mind Body & Soul ジョス・ストーン
中古盤
日本国内盤帯付き
1曲目、声が聴こえてきた瞬間、この声を待ってたよ!と思った。待ちに待った初のオリジナルアルバム。アンジー・ストーン他、ゲスト陣も豪華だ。但し前作(カバーアルバム)のR&Bとは一変し、かなり全世界を意識してのメジャー感が漂うアルバムだ。17歳とは思えない歌唱力と深みのある力強い歌声。ジョス・ストーンの放つ大人の色気は、時に激しく、時に軽やかに、様々に角度を変えて聴く者に迫ってくる。
RightToBeWrongで、前作のアルバを初めて聴いた時の衝撃が、本物だったことを再認識させてくれる。JetLagはどことなくアンジー・ストーンを思わせる。ほんとうにもう、みんなあなたのせいなんだから・・・と、けだるい色気。YouHadMeでは打って変わって激しく自己主張する。前作(実は個人的にはこちらが好きだったりする)が素晴らしいのはもちろんだが、オリジナルアルバムということで、彼女は存分に歌いきっている。
近頃はR&Bのアルバムなら誰でも出せるような感じがする。しかし、ソウルアルバムをレコーディングするとなると、具体的には言えない特別な要素を必要とする。この英国デヴォン州出身の17歳が彼女にそれが備わっていると初めて立証したのは、めったにないソウル・グルーヴのコレクション『ザ・ソウル・セッションズ』(原題『The Soul Sessions』)によってだった。彼女は再び、オリジナル曲による初めてのアルバムとなるこの『Mind, Body & Soul』(邦題『マインド、ボディ&ソウル』)でそれをやってみせた。ストーンにできるのはバラードの名作を読み取って聴かせるくらいのことだと言う人には、ミッドテンポの「Jet Lag」のアティテュードを聴いてもらおう。ズン、ズンと刻まれるバックビートのリズムに乗って、ストーンはすべてを包みこむ愛にくたくたになる様子を歌っている。リードシングル「You Had Me」では道を誤った女を演じ、痛烈でファンキーなワウワウ・ギターが、そのついつりこまれて「自分を見失った」心情を表現している。『Mind, Body & Soul』では、多くの感動的なバラードもフィーチャー。それらは『ザ・ソウル・セッションズ』で特徴的だったもっとゆっくりしたテンポの曲を連想させる。クワイアをバックにした「Security」は悲劇の後で愛し支えてくれるという感動的なストーリーを歌っている。ストーンがホーランド=ドジャー=ホランドの伝説的ソングライターラモントとその息子ボーと共作した「Spoiled」はロマンチックでみずみずしい1曲で、ピアノがリードするアレンジをストーンのアルトがそっとなでていくような感じがする。『Mind, Body & Soul』でほかに聴きどころとなるのは、眠りを誘う「Snakes & Ladders」とルーツレゲエ調の「Less Is More」。『ザ・ソウル・セッションズ』はストーンの名を世に広めることになったが、このアルバムはソウル・ミュージックの中での彼女の位置を紛れもないものにした。