これは物凄い内容。アルディブリュッツなんてバンド名のようだけれどもこれはバンド名では無くて、フランスはレンヌを拠点に現代に蠢く異形さ極まる音のミュータント達の吹き溜まりのような様相を見せるIn Poly Sonsレーベルが総力を挙げて制作したオムニバスアルバムのタイトルで、その横にはアールブリュットへのオマージュなんて題名もちゃんとくっついていて、それでもってこのジャケットなので、ジャンディブッフェを持ち出すまでもなく、それよりもさらに地下世界で人知れず紡がれてきた音の初期衝動から放たれた蠢きの諸々を収録したオムニバスアルバムがこちら。まずは簡単に収録順の説明ということで、日本ではほとんど知られていないドイツ出身のポストパンク系アヴァンギャルドフュージョンバンド、The Blechのトラックからして衝撃的で、いったい何コレ?ってなアフリカの民族音楽を彷彿とさせる女性ヴォーカルパートに手拍子とパーカッションが同時に連打され、そのバックでは祭儀的トランス状態のコーラスが遠くで鳴り響き、さらにモノローグのついでに電子エレクトーンがノイジーに暴れまわるという凄まじい演奏で、本作の内容をこの1曲で表現したと言っても過言ではない決定打。お次はスイスのレコメン系として2枚の傑作アルバムを残したデビルメンソールのギタリスト、セドリックヴイレのソロトラック。とはいえ何もギターソロだなんて野暮はやらかさないのでご安心を。ここでの演奏はハーディーガーディー、ヴァイオリン、パーカッション、バスクラ、サックスを含むチェンバーアンサンブルによる楽曲で、ほとんど全盛期のジュルヴェルヌを彷彿とさせる純正チェンバープログレ。次にカナダのチェンバープロイグレシーン屈指の大物、コンヴェンタムを率い、ソロアーティストとなってからもアヴァンギャルドプログレ系に数多くの傑作級アルバムを残しているルネルシエの、本作のコンセプトに寄り添うかのようにアールブリュット的なるものの表現に挑んだテイクを収録し、これもほとんどジャンディユブッフェみたいなぶっ壊れた音の破片が四方八方から降り注ぎ、これに得体の知れ無いアクースティックノイズがコラージュされるという、この人のキャリアの中でも最も過激に振り切れたチェンバープログレサウンド。次にダニーフィンネイなる謎のサックス奏者による後期エトロンフーみたいなポストパンクプログレッシブな佳作とか、フランスのアヴァンロックバンドとしてごく一部のマニア筋に知られるトゥピーデクリモナーデもとことん変テコで、アンニュイな電子音にピアノの爪弾き、突如モノローグが被さったりミュゼットのようになったりで、サイケな変性意識状態のまんまにアルベールマルクールのような音響概念で音遊びに没頭して戻ってこれなくなったようなテイクも超秀逸。以下はフェルディナンリシャール、デイヴィッドモス、ザワーク、アンサンブルライエ、クリンペライ、ルクデブク、ラーシュホルメルなんていう大物がズラリ参加。いずれもご本人たち本来のの芸風から離れてここではやはりアールブリュットがテーマとなっているので、そいう方向性を念頭に置いた自分たちなりの表現になっているのがこれまた得難いとしか言いようのない響きの数々。収録の楽曲はほぼ全て各アーティストの単体アルバムに収録されているとはいえ、現在では入手困難なものも多く、全て揃えるとなると相当の出費と時間を覚悟せねばならないので、とりあえずはそれらをダイジェストで俯瞰できる試みの一つとしても成立し、ここでは何と言ってもアールブリュットのキーワードを起点に照射された楽曲を集めているのがポイントというべきで、本作を手元に各アーティストを辿っていくという楽しさは格別。HARDIS BRUTS-hommage a l art brut(in poly sons)
コンディション:★盤は中古盤として並品(軽いキズ、スレがあります。音トビ無し、再生に影響無し)、ジャケットは中古盤として並品(目だたない程度のスレ、キズ、経年のヨレがあります。端にツメの噛み跡あり)、プラケースは中古盤として並品(スレ、キズが散見されます、ヒビ割れがある場合もあります)★プラケースは経済的理由により新品に交換できません。予め消耗品としてお考えいただけますと幸いです★その他詳しいコンディションにつきましてはご入札前にご質問欄からお問合せください。あくまで中古盤という性質上、完璧なコンディションをお求めの場合はご入札をお控えくださいますよう、よろしくお願いいたします★
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