写真をご覧になって「なんだ、ボエムじゃないか？！」と思われた方は、厳密に言えば間違っています。
現行品で「ルージュ・エ・ノアール」が有りますので、タイトルが間違っている、と思われた方も、間違っています。

回りくどい表現はやめましょう（個人的には嫌いじゃ有りませんが）。
出品致しますペンは、タイトル通りルージュ・エ・ノアールというモデルで、その形は皆さんよくご存知のボエムそのものです。
モンブランが、またもしでかしたチョンボの産物です。

1999年、モンブランはクリップに貴石を嵌め込み、繰り出し式のニブを持ち、カートリッジを使う新しいモデルを売り出しました。名前はルージュ・エ・ノアール。
久々の全く新しいモデルなので、モンブランも相当力を入れていました。
ところが、売り出して数ヶ月も経たない頃、ネーミングに問題が有ることが発覚したのです。それは、自社の1920年代のペンに同じ名前のモデルが有ったという事実でした。
全くの新製品で形も似ても似つかないモデルに、1920年代のモデルの名前はマズい。そう判断したモンブランは、急遽販売を取りやめ、店頭に有るルージュ・エ・ノアールを回収しました。
そして約1年後に改めて登場したモデルが、ボエムです。形は販売をやめたルージュ・エ・ノアールと何一つ変わっていませんが、首軸に、細・太・細の3本の装飾リングが与えられ、ルージュ・エ・ノアールの尾軸リングに刻まれていた「MONTBLANC ROUGE et NOIR」という文字は、ボエムでは当たり前ですがどこを探しても有りません。

その一件が有ったとき、運良く手に入れた人達は「これはレア・アイテムになる」と言って、手放す人が殆ど居ませんでした。そんなこんなで、このモデルはその後あまりマーケットに出て来なくなったのです。

アメリカのサイトで、ボエムの一覧表（１０枚目の写真。拡大してご覧下さい）を見つけました。上から2本目がルージュ・エ・ノアールです（1本目は同時に発売になったノアール・エ・ノアール）。実際の一覧表では、この下に掲載している写真に写っている本数の倍ぐらいの数のボエムが続いています。
それだけのバリエーションを持ったモデルの第一号が、実はこのルージュ・エ・ノアールなのです。

ニブ：14KのM
インク：カートリッジ
全長：108.7mm（キャップを尾軸に差しニブを出した状態で133.5mm)
胴軸： 11.0mm

未使用品
オリジナルのボックスが付属。ブックレットと外箱が欠品。

使用時はキャップを尾軸に差して使う事を前提に考えられています。その為に尾軸にもネジが切ってあり、キャップを差して回すとニブが出てきて キャップのクリップとニブのセンターが一直線に並んで止まる、というドイツ製品らしい几帳面さを見せてくれます。

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