大変貴重な明治時代の東京錦窯の花瓶（無銘）です。
東京錦窯は、明治政府が明治５年（1872年）に翌年に迫ったウイーン万国博覧会への出品物を製作するため、 浅草に設立した博覧会事務局附属磁器製造所のことです。
東京錦窯には有田・瀬戸・九谷など全国から優秀な陶画工たちが召集されました。
言わば、明治政府がその威信をかけて総力を結集して設立した陶画工場が東京錦窯です。
ウィーン万国博覧会終了と共に僅か一年で閉鎖された後、深川に設立された「瓢池園」の前身となりました。
東京錦窯には全国の画工が集結していましたから、有田・瀬戸・九谷・京都・東京などの画風が混在していますが、 明治政府が威信をかけて作らせただけあって、いずれも一流の作品です。
本作、銘はございませんが、絵筋、意匠、形状からしても東京錦窯の特長がよく表現され、 他の窯とは異なる独特の色合い、白磁のキレの良さ、面白い構図感など瓢池園の名品の類品とよく似た共通項が見られます。
四面取りで構成され、各面には人物や花鳥図、ウサギなどが配置され、 細部のディテールへのこだわり、構図力、仕事のメリハリ、感覚など、明治時代の優品だけに見られる極上の凝縮感が魅力的です。
高さ47cmの大型花瓶であり、美術館にあっても遜色のない貴重な御品で、現代の感覚でも圧倒的なセンスの詰まった珠玉の御品といえます。
英国にてお客様の親族の方が一昔前に買い求めたものですので、里帰り品となります。
明治期の花瓶であること、本物保証いたします。

（時代）
明治時代

（状態）
概ね良好です。
写真でお分かりのとおり、下部に一部時代クラックが見られます。
景観崩すことなくお楽しみいただけますが、写真にてご確認ください。
古いものゆえ時代変化はご了承ください。

（寸法）
口径約7.5cm×8.5cm
最大高さ47.5cm
最大横15cm
総重量4030g

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