
トーマス・マンの長編教養小説『魔の山』。
当時市販では入手できなかった貴重なフランクリンライブラリー会員限定コレクション。
■『魔の山(Der Zauberberg)』初版刊行年:1924年
20世紀ドイツ文学を代表する長編小説『魔の山』は、第一次世界大戦前夜のヨーロッパ精神史を圧倒的な知性と象徴性で描いた、トーマス・マンの代表作。主人公ハンス・カストルプは、スイスの高地にある結核療養所をたずねたつもりが、そこに7年もの長きに病と療養、時間と意識の変容のなかで、彼は生と死、教養と思想、そして人間存在の本質をめぐる思索へと導かれていく。わたって滞在することになる。本書は一見すると静かな物語だが、その内奥には哲学、宗教、政治、芸術が複雑に交錯する重層的な世界が広がる。“読むこと”そのものを問うような、知的冒険と内省の旅であり、現代文学における不朽の古典である。
■Thomas Mann(18751955)
トーマス・マンはドイツ出身の小説家、評論家。1875年、ドイツ帝国のリューベックに生まれ。家の出でありながら芸術に強く惹かれ、兄ハインリヒ・マンとともに文学の道を歩む。1890年代末から執筆活動を本格化させ、若くしてドイツ文学の中心的人物となる。彼の作品は、ブルジョワ社会の精神的危機、芸術と人生の相克、内面の葛藤といったテーマを深く掘り下げるのが特徴であり、冷静な知性とユーモアを交えた文体が高く評価された。1924年に発表された大作『魔の山』によってヨーロッパ文学の巨匠としての地位を確立し、1929年にはノーベル文学賞を受賞。ナチス政権の台頭により、1933年以降はスイス、ついでアメリカへ亡命。アメリカ市民権も取得し、第二次世界大戦中はラジオ放送を通じてナチズムに対する批判を続けた。
戦後は再びヨーロッパに戻るが、1955年にチューリッヒで死去。代表作に『ブッデンブローク家の人々(Buddenbrooks)』(1901)『ヴェニスに死す(Der Tod in Venedig)』(1912)『魔の山(Der Zauberberg)』(1924)など。
■Color(Spine)
Cover:‐
Main Body:Navy
■Size (the largest part)
Height :24.0cm
Wide :5.0cm
Depth :17.0cm
■Others
Publisher:The Franklin Library,1979(LIMITED EDITION,THE GREATEST BOOKS OF THE 20TH CENTURY)
Binding:Hardcover(All leather),All edge gilt
Language:English
Pages:728pp(Includes a bonus commentary booklet by the editor)
★極わずかな使用感のみで全体的に良好
<Contact Number:SL780>(Management Number :250517)(Category:ドイツ・文学)
THE FRANKLIN LIBRARYとは
フランクリン・ライブラリーは、1964年にアメリカで設立された高級雑貨ブランド「フランクリン・ミント社」の一部門として誕生し、1970年代初頭から2000年まで、コレクター向けの革装丁本を制作していた。装丁には、オールレザー、イミテーションレザー、クォーターバインディングの3種類があり、素材には本革だけでなく高品質な紙も使用された。また、ページの綴じ方には糊付けではなく縫い付け製本を採用するなど、細部にまでこだわった高級書籍である。現在はフランクリン・ライブラリー部門が廃止されており、市場に流通している書籍はすべて貴重な絶版品となっている。