澤田ふじ子★足引き寺閻魔帳シリーズ★ 徳間文庫
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| ★商品説明★ | 澤田ふじ子著 「足引き寺閻魔帳シリーズ」 徳間文庫 「足引き寺閻魔帳」 ２０００年 ５月 文庫初版 「女狐の罠 足引き寺閻魔帳２」 ２００２年 ９月 文庫初版 「聖護院の仇討 足引き寺閻魔帳３」 ２００３年 １月 文庫初版 「嵐山殺景 足引き寺閻魔帳４」 ２００５年 ７月 文庫初版 「山姥の夜 足引き寺閻魔帳６」 ２００９年 １月 文庫初版 「暗殺の牒状 足引き寺閻魔帳７」 ２００９年 １０月 文庫初版 「亡者の銭 足引き寺閻魔帳８」 ２０１０年 １月 文庫初版 定価 ５３３円～６４８円＋税 ２９１頁～３８１頁 |
| ★著者略歴★ | １９４６年、愛知県生まれ。1978年「羅城門」で小説家デビュー。「公事宿事件書留帳」や「足引き寺閻魔帳」シリーズなど著書多数。京都を舞台にした、はんなりとした物語口調が多い。 |
| ★作品内容★ | 京都にある地蔵寺は、願い主の祈りを聞き届け、悪人の誅殺を下す足切り寺。住職の宗徳、奉行所同心の左仲、絵師のおりん、岡っ引きの与惣次、愛犬の豪。がメンバーだ。京都を背景にはんなりとしたシリーズ ＜１．足引き寺閻魔帳＞ シリーズ第一弾。元禄の時代から約百年足引き寺のうわさが続いている。「地蔵寺の犬」シリーズ第1作。顔見せというところか。「唐橋屋の賊」幼い娘が、お参りに来る。店を乗っ取ろうとする手代たちに載せられている後家。「冬の刺客」店を乗っ取られて、お小物姿で敵を狙う男に、宗徳たちは立ち上がる。「比丘尼坂」盗人の罪を背負って島流しにあった男が、残された家族のために訴え出ようとする。でもその前に立ちふさがる剣客の前に総督らは退けられるが愛犬の豪は。「吉凶の駕籠」大店の主が、着け狙われていた。以前、駕籠を狙った者たちか。「通夜の客」宗達が、本寺の通夜に招かれるが、そこには、途中搾取する寺の男たちがいた。「閑吟の鐘」頼まれて除夜の鐘を突くことになった宗徳だが、同じ日に、強請を働く坊主を成敗する。 ＜２．女狐の罠＞ 今回は冤罪からくる弱者を救う話が多い。「足許の首」駕籠かきが、無実の罪でとらえられた。長屋に止めておいた駕籠から死体が出てきたのだ。奉行所は簡単に結論に飛びついたが、怖いのは女。「女狐の罠」長年真面目に勤めていた手代が、盗賊を手引きしたということで死罪になるが。その陰で笑う女。「なさけが仇」島から帰って来た男の妻が、消えてしまった。何故？「噂の烙印」養女に板面をしたという噂を立てられて、没落した男とその家族。気が弱いその男は、どうせ頑是ない幼女がいうことだから反論も認められないだろうと。「闇の梯子」かつて、罪を犯しその弱みを握られて、闇の梯子を堕ちようとする女を救う。「真贋の瀧」絵の贋作をして師匠から追放された男が、再び京都に戻ってきた。また贋作をするのかと調べてみると。「果ての空」島帰りの男が宗徳を訪ねてきた。御社でやっと帰って来たのだが、宗徳が留守だったので、夕方くると書置きを残して帰ったが、そのまま表れない。恩を仇で返す悪党を容赦はしない。 ＜３。聖護院の仇討＞ 「土中の顔」天明の大火で京の町が焼けた。その再建で、物価や人件費が跳ね上がったが、その裏で儲ける人々。自由競争だから法には触れてはいないのだろうがアコギはいけない。今だって、災害の後に群がる利権やは多い。「ふたり狼」聖護院村の村役人と山伏の先達。「陰の軍師」養子に家を追い出された老婆。養子の陰には悪女がいた。「闇の坂」恋女房に逃げられて酔いつぶれる男。妻は悲しい生い立ちを持っていたが美人だった。そんな夫婦を救う。「かねづる」浮気した婿養子を脅して金をとるヤクザ。さらにその上前を撥ねようとする親分。大店の主人の決着のつけ方は見事だった。「聖護院の仇討」少女のために尺八で手毬唄を噴いてあげた虚無僧が、天蓋を脱いで顔を曝したせいで、仇と狙う男に逆に殺されてしまう。「白狐の銭」絵馬の裏に小判を張り付けて”足引き”を願う仇とは、奉行所の与力とその息子。 ＜４。嵐山殺景＞ 「白い牙」豪が知りあった老婆は、養女に店を乗っ取られ、死のうとしていた。養女夫婦をどうやって足引きしようか。「嵐山殺景」腕のいい大工をねたんだ棟梁は、事故に見せかけて殺したうえ、残された幼い娘の面倒を見ようともしない。「仲蔵の絵」芝居小屋の若い下働きは、小屋主に拾われたのだが、絵の才能があった。ところが展覧会に出そうとすると2度も邪魔が入る。若き才能に嫉妬した金持ちの息子に鉄槌を。「色がらみ銭の匂い」追われていた男を豪が助けようとしたのだが、不覚をとる。きっちり仕返しをする豪。「盗みの穴」墓でお供えを食べて過ごす姉弟を助ける。彼女らを追っていたのは。「世間の河」幼い主人を助けて仇討の旅を続ける中間の男。路銀が亡くなったので、河原で見世物をして金を稼いでいた。其れに感じ入る佐仲だが。仇討の理不尽さを訴える。 ＜６、山姥の夜＞ シリーズ第6弾。今回は短編集。「夜寒の族」真面目な奉公人が、夜だけの仕事で5日で金一両の給金が漏れえるという。これは何かあると地蔵寺の面々がその裏を探る。「鬼畜」夫に妾ができた。理解の深い妻はその子を養子として迎え大事に育てているように見えたが。女の嫉妬は恐ろしい。この解決には今一の感じもする。「菩薩の棺」何も知らずに地蔵寺に入った新米の盗人。あえなく捕まって、以前に入った寺で秘仏の厨子の中が空っぽであったことを語る。中身はとっくに住職が売ってしまっていたのだ。「無間の茶碗」盗人に家族を人質に取られ、勤務する店から名物の茶碗を盗み出す番頭。けれど、盗人が捕まり道ずれにとうその証言をしたことから家族もろとも刑罰される。それを見捨てた主と、手柄のためにいい加減な調べをした与力に閻魔の裁きを。「闇の扇」宗達が因島に流されていた時に知り合った男。帰ってみれば店は手代に乗っ取られていた。「山姥の夜」親戚や雇い主にこき使われていた子供が誘拐される。その背景には京都の山に住むという山姥の姿が。事件も始末も様々だが、著者らしい語り口。 ＜７。暗殺の牒状＞ 「御衣の針」飼い犬の豪が、火事場から子供を引きずってきた。大店の手代の妬みから起こった事件に、火付けした子供の思いをくみ取る。「俗世の輩」店の跡継ぎをめぐって後妻が起こした事件。「秋の扇」実直な質屋を騙し、放埓な娘を誑し込もうとする悪党を成敗する。「六角牢屋敷」当番で牢屋敷の見回りをしていた佐仲は、打ち首間近の若い衆人の言葉を聞く。奉行所内部の悪の足引きをする。「雪の桜」酔いつぶれていた石工を泊めて、その口から悪の存在を知る。「暗殺の牒状」兄を殺し、奉行所与力の職を得た男は、宗徳ら目の敵にしていた悪ガキ。これまでの悪事をすべて吐き出させて成敗する。 ＜８、亡者の銭＞ 作者のあとがきにあるように、現代の事件を過去に移して語っている。派遣社員や、相撲部屋での折檻死、違法カルテルなど、うっぷんが詰まっている。「蛇の辻子」首を吊ろうとした男を、飼い犬の豪がたすける、男の話を聞いた宗徳たちは。「お婆狂乱」夫に隠し子がいたと知り、狂乱するお婆。けれどその背後を探っていくと、店を乗っ取ろうとする番頭とやくざの姿が。「無慈悲な証文」賭場に誘い込み、無法な証文でしばりつけた男たちを働かる主。「義盗の仕置」表では貸本屋を営んでいるが、裏では盗賊。けれど、あくどい者たちだけから盗む盗賊。それをかぎ行けたが、どう始末をつけようか。「亡者の銭」若者が、先輩たちや店主によって、いじめ殺された。建前は修行のためと言い訳されたが、結局はうっぷん晴らしだった。そんな、見過ごしにはできない。「騙りの末期」油問屋で、豊作の油の価格を下げる話し合いが進んでいたが、それに反対する問屋が、足引き寺の名をかたって刺客を放った。情け深い主人を守って１２歳の小僧が、身を追って立ちふさがる。それを知った宗徳たちは引き下がれない。 |
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