【 最も少ない8大シャトー 】
ボルドー8大シャトーの中では
『最も探せない』
と言われる「シャトー・オーゾンヌ」。
同じサンテミリオンの両翼「シュヴァル・ブラン」と比較するとわずか5分の1
五大シャトー筆頭の「ラフィット・ロートシルト」とは何と14分の1という生産本数。
面積わずか7haの畑で造られる
とても貴重で偉大な1本となります。
「オーゾンヌ」のブドウ畑について残っている最も古い資料は、1341年にまで遡ります。
その名前が「オーゾンヌ」と呼ばれだしたのは、1592年からのこと。
ローマ時代からの永いワイン造りの歴史があり、ボルドーの右岸地域では唯一公式格付けを設立しているサンテミリオン村。
世界遺産にも登録される風光明媚なワイン生産地です。
そのサンテミリオンの石灰岩質の一番優れた斜面に「シャトー・オーゾンヌ」は居を構えます。
「オーゾンヌ」というシャトー名は、紀元後320年〜395年の生涯をここで送ったと言われる詩人で学者の
「デシミュス・マニュス・アウソニウス(フランス語読みでオーゾンヌ)」にちなんでいます。
数あるサンテミリオンのブドウ畑の中でも、最良の区画にあるこの恵まれた土地に畑を有しており
平均樹齢50~55年を誇るカベルネフランが55%、メルロが45%の比率でブドウを栽培します。
ボルドーの代表品種カベルネ・ソーヴィニヨンを一切用いないそのワインは、
スパイスとベリーが絡みあったような甘いアロマと
優雅さの中にも完熟感ある力強さと秘めたコクを持っています 。
良年のものであれば100年以上の熟成可能なボディを持ちながらもスタイルは非常にエレガントで、
他のどのボルドーワインとも一線を画すだけの圧倒的な個性を持って
『ボルドーのブルゴーニュ』
と評されます。
あるワイン評論家は1874 年のオーゾンヌを飲んで、
『私がそれまで十分にオーゾンヌを評価しなかったのは、飲み頃になるまで121年待つ辛抱が無かったからだと思い知らされた』と評し
その甘美な香り、コクのあるふくよかな風味、クラクラするほどの甘いフィニッシュを大絶賛したのです。
直近の2022年9月の格付け更新まで、サンテミリオンでたった4シャトーにのみ許された最高位タイトル
「サンテミリオン・プリミエ・グランクリュ・クラッセA(第一特別級A)」を獲得
正に『サンテミリオンの頂点』に君臨するシャトーです。
五大シャトーに「ペトリュス」「シュヴァル・ブラン」とこのオーゾンヌを加えた
『ボルドー8大シャトー』の一角として
世界中のボルドーワイン・ラヴァーを魅了して止みません。
それ故一度は飲んでみたいと思う方も多いワインですが、
実はこのボルドー8大シャトーの中では『見つけるのが最も困難なボルドー』として知られ、とても希少なものとなります。
入手するのは不可能に近いレアワインの筆頭ながら
ポムロルの神話と言われる「ペトリュス」よりも極小でありながら
価格はペトリュスよりずっと控えめ。
現オーナー「アラン・ヴォーティエ」の見事な管理運営の下、今も品質は年々向上し続けています。
平均35hl/haという低収量に抑え
ブドウが完熟するまで待ち収穫し
オークの新樽でマロラクティック発酵
軽い清澄・無濾過で仕上げます。
良いワインを造るための投資は一切惜しまず
その結果品質はすこぶる高く安定
オーゾンヌの評価は常に揺るぎないものとなります。
1985年はサンテミリオンの秀逸年。
オーゾンヌにも健全なブドウが非常に多く実りましたが、 ブドウの選果を厳しく行ったために
生産量は極めて少ないです。
完璧に成熟したメルロ、タンニンがしっかりとしたカベルネ・フランが収穫され超長熟ワインになるポテンシャルを秘める秀逸なヴィンテージです。
現時点でも既に熟成40年を迎えていますが、
もっともっと熟成を重ねていく魅力を秘めています。
過去にはロバート・パーカーも、
『瓶で並外れた成長ををする要素を感じさせ、氷河のようにゆっくりしたペースで30年から40年熟成するはず(以下省略)』とのコメントを記します。
もちろん今飲んで十分美味しいのですが、更なる熟成を遂げた味わいも大いに期待が持てます。
キノコや燻製のようなフレーヴァは旨味と共に口中を満たし
遥かに永い余韻となって飲み手を魅了し続けます。
セラー・コレクションには無くてはならない銘柄です。