ガレージで録音されたと伝えられる『Day I Forgot』だが、ヨーンのマルチ・インストゥルメンタルな演奏に加えて(かなり大編成の)バンドを導入した結果、スタジオ録音のような人工的な完成度となっている。ヨーンはいつの間にかエディ・ヴェダー気取りのヴォーカルを聴かせるようになった。しかし、もはやパール・ジャムにヒットする曲を書こうという意志がない以上、誰かがラジオであの声を聴かせなければいけないわけで、「Come Back Home」はとりあえずその役割を果たしてくれそうだ。本作のベスト・トラックは「Crystal Village」。ティーン向けのテレビ番組や卒業パーティーの夜で流れそうな、お菓子みたいにクリーミーなポップだ。ワーストを争うのは見当違いとしか思えないブルージーなストンプ、「Carlos」と「Burrito」の2曲だ。ラジオを一緒に聴くことでもう一度やり直す恋人たち。そんなセブン・イレブン風ロマンスをヨーンはこともあろうにヴェダーの声で歌っている。