ごらんくださりありがとうございます。
こちらは、推定1820~1830年頃に製作されたフランス製の19世紀ギターです。
イギリスの方から購入したものですが、
おそらく当時のイギリスのギターブームの際に、
フランスで製造されイギリスに輸出されたものだと思います。
糸巻はRANCE製で、王室御用達の王冠マークが彫られています。
豪華な装飾と贅沢な材の使用から、
当時の相当な富裕層がオーダーした特注ギターだと推測できます。
ご覧いただいたらわかるように、
白蝶貝製のバラの模様で全面的に装飾されています。
もう少しシンプルなバラ模様のギターは何度か見たことがありますが、
こちらのギターはこれまで見たバラのインレイと違い、
葉の部分まで、非常にリアルに彫られており、
更にそれが非常に多くちりばめられています。
ヘッドにも壺に活けられたバラのインレイがあり、
ブリッジには、鳥の羽の様なインレイが入れられています。
サドルは黒檀と白蝶貝製です。
表板にポンとのせているだけという非常に珍しい構造です。
弦高を下げたければ、サドルの黒檀部分の底を削れば下げることができます。
コフィンケース付きです。
裏板については、ご覧の通り割れがございます。
また、経年により、材の収縮があるので材の収縮分を埋木する必要がありそうです。
尚、裏板はブラジリアンローズウッドとトウヒの合わせ板です。
合板のギターか...と落胆するのは早とちりで、
フランス製の19世紀ギターの超高級なものの多くに合わせ板が使われています。
つまり当時の高級ギターでも当たり前のように使われていた技術で、
H.DERAZEYの凄まじい装飾の19世紀ギターでも合わせ板が使われています。
裏板の力木のはがれがありますので、接着が必要です。
横板はブラジリアンローズウッドの単板です。
見事な装飾のブリッジもはがれがありますので再接着が必要です。
糸巻は現状でスムーズに動いています。
グリスをさせば更に動きも良くなると思います。
※古い糸巻をロジャースに変えたりする方もいますが、
ロジャースは重いので、交換すると19世紀ギターらしさが損なわれます。
できる限りオリジナルの糸巻を使って演奏する事をお勧めします。
ヘッド裏板の化粧板に割れがございます。
指板は若干順反りがあり、リフレットをしたり、
指板を新しく交換したりしてください。
コフィンケースはキーがなく、割れもあり内側の毛等に汚れがございます。
紐を使って肩にかけるスタイルのケースだった様に見えます。
修理して使うかケースは新しくご用意ください。
※リペアは出来る限り19世紀ギターに造詣の深い製作家(例えば大西達郎氏等)に、
依頼する事をお勧めします。
知識のない製作家に依頼すると19世紀ギターの良さは損なわれる事が多いからです。
落札された方には出来れば文化遺産として大事に扱っていただけると幸いです。
スケール 約622mm
【音色について】
現状では弾けないので不明ですが、恐らくきちんと修理すれば物凄い音色で鳴ると予想しています。
※装飾の多いギターでも名工が作ったギターはよく鳴ります。【郵送について】 発送は、コフィンケースに入れた上、段ボールで厳重にパッケージして、 ゆうパックもしくは宅急便でお送りさせていただきます。 |
【注意事項(必ずお読みください)】※トラブルが非常に多いので、いたずら入札を防ぐため、
新規の方は基本的に入札をお断りさせていただいております。
ただし、新規の方でご入用の方がいらっしゃいましたら、 質問欄からご連絡ください。
※要リペア品ですが、正真正銘の博物館クラスのギターを非常に安価からの出品しています。
基本的にノークレームノーリターンでお願いいたします。
出来る限り誠実に対応させていただきますので、 どうぞよろしくお願いいたします。