イタリア・マントヴァの巨匠、ガエタノ・ガッダが1955年に製作した真作となります。私はイタリアのマリオ・ガッダ工房と直接取引し、御存命のマリオ・ガッダ婦人から日本におけるコレクターとして認められています(お手紙あり)。当方は、1980年代より、マリオ・ガッダ作品をこよなく愛する個人コレクターで、バイオリン販売の専門店、工房ではございません。
1950年代に入ると息子のマリオ・ガッダは弟子として工房に入り、親子でバイオリンを製作。ガエタノ・ガッダは1956年に他界しますが、その後、マリオ・ガッダは父ガエタノ・ガッダと負けず劣らずの才能を発揮し、数々の素晴らしい作品を世に生み出していきます。この作品は1955年にガエタノ・ガッダがダヴィデ・ボルディのオペラにリスペクトし、親子で製作した作品と聞いています。
先日、クレモナで開催された見本市、モンド・ムジカに視察に訪れたマリオ・ガッダ工房の責任者から連絡が来ました。「9万ユーロで販売されている1945年製のガエタノ・ガッダを見ましたが、貴殿が所有する1955年製ガエタノ・ガッダほど美しくありませんでした。おそらく貴殿がお持ちのガエタノ・ガッダは少なくともバイオリン工房では5万ユーロ以上で売れるのではないかと思います」と連絡がありました。この発言に確証は持てませんが、写真を見ていただければわかりますが、素晴らしいバイオリンには間違いありません。
裏板は1枚板で虎目が非常に美しく、表板もオレンジニスが美しくほぼ傷はありません。この作品の製作精度が高いのはもちろん、芸術作品としておそらく後世に間違いなく語り継がれる銘品だと思います。
作りは緻密で精微につきます。板厚は材質、厚さはちょうどいいバランスで、鳴りは抜群で大ホールでも充分といえるものです。さすがに1955年製ということもあり、重厚というより深みのあるやさしさに溢れた音色だと思います。
製作者:ガエタノ・ガッダ
製作地:イタリア マントヴァ
製作年:1955
ラベル:
Dedicato al prof. Davide Boldi
Gaetano Gadda e Mario
GAETANO GADDA e figlio Mario
Premiato con Medaglia d’oro
Allievo di STEFANO SCARAMPELLA
Fece in Mantova anno 1955
サイズ(製作証明書)
BL: 355mm
UB: 170mm
CB: 112mm
LB: 212mm
<マリオ・ガッダについて>
マリオ・ガッダ(1931-2008)は父である20世紀を代表するバイオリンメーカーの1人、ガエタノ・ガッダ(1900-1956)に師事し、最後の正統なマントヴァスクールの後継者として活躍。父、ガエタノはモダンイタリーの巨匠ステファノ・スカランペッラに師事し、スカランペッラの材料を受け継ぐが、父の死後その材料をマリオもふんだんに使用していたとされている。
マリオ・ガッダの作品は現在市場で350万~450万円で取引されております。ガエタノ・ガッダとマリオ・ガッダの共同製作品のなかでも製作精度の高い作品は600万円オーバーになると思われます。オークションハウスに出品される前にコレクター間で取引きされるほど貴重なものとなっております。
証明書の写真通り、フィッティング類も全てオリジナルです。ラベル、焼き印等はggとなっております。バイオリン工房にて新品の弦交換、点検、調整、クリーニングも行っておりますのですぐにご使用頂ける状態です。
もちろん、製作証明書付きの真作となります。フィッティング、購入後のメンテナンスなどがご用命でしたら、当方が普段お願いしているバイオリン工房(郵送でも受け付けています)を紹介させていただきます。
持病悪化もあり、バイオリン専門店での販売価格よりも大幅にお安く提供させていただきます。入札が低調の場合は誠に申し訳ありませんが取り消しさせていただく場合がございます。
今回オークションがあまりにも不調のため、再出品しました。9日いっぱいまでの最終出品で最終価格を提示しました。おそらく1ユーロ177円という円安の今、欧州、日本でおいてもこれほど安く購入できないと思います。最後のチャンスですのでお見逃しなきようご検討ください。
■オークション落札後、24時間以内の連絡、3日以内の振り込みなき場合、落札者都合によるキャンセル扱いにさせていただきます。
■作品の差し替えを防ぐ都合上、ノーキャンセル、ノークレーム、ノーリターンにてお願い致します。
■発送はケースに入れ厳重に梱包し発送致します。もちろん、実名配送です。
■オークションが低調の場合は取り消しさせていただきます。ご了承ください。