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1979年頃？刊行。
ラファエル・スタインバーグ著。
加登山幸太郎・監修。
箱入り。箱に若干のイタミが見られますが、本体の状態は良好です。
わたしが自決すれば、
だれか別の者が罪を負うことになる。
原題はフィリピンへの「RETURN」…これだけでお分かりの通り、連合国サイドの視点によるフィリピン戦線の記録です。
我々日本人からは多いに異議がある視点もありますが、一方で現地フィリピンの国民の視点も忘れていないので、戦争の実相というものを否応なく考えざるを得ない一冊です。
日本の活躍はアジア諸国に勇気を与え、白人世界からの解放と独立に貢献した…これは事実です。
日本は征服者として独善的な価値観を強制し、弾圧と恐怖で民衆を虐げた…これもまた事実です。
どちらが真実で、どちらが間違っているということではなく、両方とも真実です。
自虐史観が誤りなのは言うまでもありませんが、かといって自尊史観というのもどうでしょうか。
何ごとにも表と裏、光と影があります。
戦争末期、日本海軍の根拠地部隊はマニラ市街戦を辞さず、数多の一般市民を巻き添えにしました。
どうしようもなくやりきれなくなります。
一方で徹底抗戦をまっとうしたゼネラル・ヤマシタ（山下奉文）以下の日本軍は最後のサムライとして、フィリピン国民の尊敬を集めています。
これは日本人として誇りにしたい史実です。
戦争は、歴史は常に二面性を有します。
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