アメリカを代表するスピーカーブランドです。
創業は1927年と大変に歴史も長く、軍用やラジオ向けのスピーカーを製造を手がけたメーカーですね。
1940年代に入るとフェンダーのギターアンプに採用されたことを機に、アメリカの多くのギターアンプにはこぞって採用されました。
加えて、ジュークボックスでもお馴染みのワーリッツアー社やロッコーラ社の製品にもJENSENが採用されてましたね。
また、ウエスタン・エレクトリック社にもOEM供給するなどの実績もあるこ事ら往年のビンテージファンにはたまらない逸品かと思います。
無論、コンシューマー用としてはインペリアルシリーズに代表される超弩級モデルも手がけていた歴史からも一流のオーディオメーカーである事は言うまでもありません。
1960年代には一旦倒産のしたものの、90年代にはイタリアのSICA社によってブランド復活するなど、注目のメーカーです!
今回、出品のお品はそんな同社の手がけた珍しいスピーカーシステムです!
正確な型式は判別できませんでしたが、HecoのHFS-1と同等のお品です。
恐らく1950年代のモデルかと思います。
使用ユニットは同社の20㎝フルレンジの傑作であるP-8RSとホーンツイーターのRP-103Sを贅沢に組み合わせた2WAY構成となっております。
P-8RSはフィックスドエッジを採用した物で、当時のWE製品のモニター用等にOEMされたものと同等の物ですね。
また、アルニコマグネットやフィックスドエッジを採用した設計ですので、軽快さと明瞭さのある音質は格別です!
ツイーターにおきましては、同社のお家芸でもあるフェノリックダイヤフラムを採用したもので、ホーン特有のキツさの無いしなやかなサウンドが特徴です。
無論、アルニコマグネットを採用した物であり、かなりの銘ユニットです。
ネットワークはシンプルなコンデンサーカットとなっており、Hiレベルを調整できるようにボリュームの付いたシンプルな設計となります。
エンクロージャーにおきましては米松を採用した物となっており、軽量でありながらも堅牢な作り込みです。
しっかりと木も乾燥しているためか響きも素晴らしく、これだけでもかなりの魅力です。
サイズはW585×H285×D250とコンパクトな佇まいですが、実際に聴いてみると結構鳴ります!
意外にもワイドレンジであり、JENSENらしい機敏さとヌケの良いサウンドが特徴です。
非常に能率も高くシングル方式の真空管アンプでも十二分にドライブできます!
音楽はROCKや大編成オーケストラなどの大迫力には不向きですが、JAZZや室内楽などのクラシックあたりの再現力は見事な物です。
特にヴォーカルの息遣いやヴァイオリンの和音などのリアリティはトリハダ物です!
本当に素晴らしい仕上がりかと思います!
デザインにおきましては、いかにもミッドセンチュリー的な雰囲気を感じさせるスタイリッシュな佇まいであり、インテイリア性も極めて高いと思います。
また、縦型ではなく敢ての横置きのデザインとなりますので、かなりユニークですね。
外装も天然木の突板仕上げとなりますので、質感も抜群です!
滅多にお目にかかる事の出来ない貴重品かと思います。
コンディションにおきましては、軽微な小傷は見られますが、年式を考慮すれば概ね綺麗なお品かと思います。
サランネットもオリジナルのようであり、汚れや穴あきも無く良好です!
片方だけJENSENの頭文字をなぞった「J」のエンブレムのプリントの剥がれがあります。
型式は判別できませんでしたが、間違いなく当時物のオリジナルです。
本来はリアバッフルに型式や配線図を記載した紙が貼りつけられているのですが、剥がれているようです。
うっすらと貼られていたことによる変色の痕跡があります。
内部のユニットは後ろから見るに、フルレンジのコーンに修復がいくらかあるようでした。
ただ、いずれのユニットにおいても音出しは良好であり、音質も抜群です!
ネットワークのコンデンサーもオリジナルの物かと思います。
HIレベルのボリュームはマイナスドライバーで調整するタイプであり、しっかりと機能します。
左右のロッド差は感じられず、ペアリングの良いお品です。
インピーダンスは16オームとなります。
この機会にどうぞ!