天地17.8㎝ j(もともと巻物だったもの
巾 一枚目約71.8㎝
二枚目約30.7㎝
三枚目約61㎝
四枚目約60.4㎝
【題箋】無し
【内容】「ヶ条」については「早稲田大学図書館蔵本」に依った。
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一枚目 【画像1~3参照】
(二十一 辛崎の松之句の事)
から崎の松は花より朧にて
(二十二 鳶鷹の句之事)
鳶鷹の句の事
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二枚目 【画像4参照】
(二十三 宵闇の句之事)
宵闇の句の事
(二十四 名所の雑之事)
名所に無季の事
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三枚目 【画像5・6参照】
「名所に無季の事」の続き
(二十五 仮名遣ひ之事)
假名つかひの事
末尾に
右者俳諧之新式有二十五ヶ条
左爲我家之節目也則於落
柿舎自書而與去來見之識之
可明白巳之俳諧不可傳冩
他人尤爲道之尊重也
元禄(七1694年)甲戌六月日 芭蕉庵 桃青判
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四枚目 ~系図~ 【画像7参照】
右翁之秘書二十五ヶ條依
眷丈俳諧之厚伝自書而
与之尤為道之尊重也
以下、
芭蕉庵桃青を始祖として
・杉夫→其角→嵐雪 の流れと
・獅子庵蓮二房支考→廬元房里紅→沾耳坊 の流れと
系図で示される。
が、文政三(1820年)庚辰二月日 あたりで、龍堂如仙に統一されているようである。
そこから末端の 古雪亭木賀丈 へと繋がっている。
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【刊期等】不明
【因みに】早稲田大学図書館蔵本の「二十四 名所の雑之事」と出品本「名所に無季の事」とでは趣が異なる。【画像8・9参照】
今、書き出してみる。
[早稲田大学図書館蔵本]
二十四名所の雑之事
名所の発句は統て雑の句然るべし
名を云心を取る時は句作穏なるまし
[出品本]
名所に無季の事
名所の発句はすべて雑の句しかるべし
名をいゝ季といゝ意をいふ時は句作心穏ならぬまじ
【因みに】この4枚の内、最後は
右翁之秘書二十五ヶ條依
眷丈俳諧之厚伝自書而
与之尤為道之尊重也
という前書きに続いて「蕉門の系図」が記される。
・杉夫→其角→嵐雪 は正統派。
・各務支考→廬元房 はちょっと外れた美濃派、または獅子門と呼ばれた。その二派が後に一つとなり、その末が」古雪亭木賀丈」であると、宣言しているような感がある。言ってみれば「由緒」のような物だったのかもしれない。
次元が違うかもしれないが、以前、鷺流狂言師のいわゆる免許皆伝書である「三番三(さんばそう)印可」」を見たことがある。前の部分は「三番叟」の所作について詳らかにしるし、「以下のことが身についた事を証する」印可が記される。
この出品本の場合は、「二十五ヶ条」を秘書として書写することを許可され、それが蕉門の一員であることの証書となった。めでたしめでたしと言うことなのかもしれない。
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み、多数あり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。
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