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今月新たに出品できるインドやインドネシアの布は、これだけとなりました。
今回希少なバティックが出てきましたが、こちらはあまり残っていない100年以上前のバティックです。とても美しい布だと思います。10枚目参考画像は、17年前のバティック展の図録からですが、3千点以上のコレクションから厳選され展示された一枚として掲載されている同手の布です。選ばれて掲載された布でさえ中央部に退色が見られますので、出品の布がいかに良い状態かお分かりいただけるかと思います。この状態の時代のある布は、もう出てこないでしょう。
これは、インドネシアスマトラ島中部のジャンビ地方のバティック(ろうけつ更紗)です。
大きさは、約189㎝×92㎝、天然染料による深い色合いが残っており、インドのパトラの影響を受けた文様や周辺の蔓草文様からプリミティブ感が漂ってくる布です。ひんやりした手触りと紙のように薄い生地で19世紀末〜20世紀初頭にかけての典型的な古布です。
画像は(特に接写すると)実物より明るく写ってしまいますが、実際はもう少し落ち着いた色味です。深い藍と海老茶の暗色を基調とする色彩がとても美しく、文様をアップ(8枚目画像)で見ると実に繊細であることが分かります。
更に、この布の素晴らしい点は、目に付く傷みや補修は見当たらず、ほぼ完全に近い状態であることです。バティックは、その状態により評価が分かれます。一見、周辺部分(例えば5枚目画像の左端など)が汚れているように見えますが、蔓草や周辺に茶色で染められており製作時からのもので、汚れではありません。これまでに所蔵していた同時代のジャンビのバティックは、いずれも補修や傷みが少なからずありましたので、今回のこの布は奇跡的な状態の良さです。ただ、時代を経た布ですので、透かして見ると小穴が数ヶ所あります。そのため、やや傷や汚れありとしました。古布であることをご理解の上、ご入札をお願いいたします。
100年以上前のジャンビの古布は、今では端布でしか残っていないものです。整理のための出品で、この布の評価に比べて大変リーズナブルかと思います。お好きな方で、大切にしてくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。
※ 悪い評価が大変多く、お取引に不安を感じる方は、入札時や落札時に削除をさせていただくことがありますので、予めご了承ください。また、(決済は期日までで結構ですが)落札者情報のみのご連絡だけは、落札日翌日の午前中までにいただける方のみ、ご入札をお願いいたします。落札後に理由無くご連絡をいただけない方や到着後に受け取り連絡をいただけない方は、申し訳ありませんが以降の入札は、ご遠慮いただいています。
※ 午前中までにご決済をいただいた場合は、その日のうちに発送いたします。午後以降にご決済いただいた場合は、翌日の発送となります。また、落札後のこちらからの評価は、評価をくださった方のみとしておりますので、ご了承願います。