1948年滋賀県生まれ、最高240色を駆使し細密画のような描写のファンタジー世界をシルクスクリーンで表現する作家、1972年渡欧、1978年にはアメリカへ移住、その後はアメリカ各地で個展を開催、オリンピック公式ポスターのための原画や、自由の女神100周年記念の原画制作など、世界的なイベントの公式作品等を数多く制作し、アメリカでの人気はもちろん、ヨーロッパ、そして日本での人気を不動のものとした、現在も、アメリカで活動を続けている

ヒロ・ヤマガタ「アウト・トゥ・ランチ」ブロンズ 大型作品 高さ43cm1988年作
本作《アウト・トゥ・ランチ》は、世界的に知られるアーティスト、ヒロ・ヤマガタによるユーモラスなブロンズ彫刻です。昼休みに出かける陽気な紳士の姿を、色彩豊かでリズミカルな造形で表現しています。白いジャケットに派手な赤の水玉ネクタイ、青と白のストライプパンツ、そしてパイプをくわえつつ金色のバゲットを抱えて歩くその姿は、まるで絵本の中から抜け出してきたかのような愛嬌と、アメリカン・ポップアートの自由さを併せ持っています。

鮮やかな彩色が施された本作は、ヒロ・ヤマガタの特徴である“色で語る”世界観を立体作品として昇華させたものです。画家としては240色以上の色数を駆使し、緻密なシルクスクリーンによる幻想世界を描いてきたヤマガタが、ブロンズという重厚な素材にあえてコミカルで軽快なモチーフを与えることで、日常の一瞬に潜む幸福感や人間味をユーモアを交えて表現しています。

1970年代にヨーロッパを経てアメリカに拠点を移し、オリンピックや自由の女神100周年記念といった国際的イベントの公式アートも手がけてきたヤマガタの感性が、ここでもいかんなく発揮されています。本作は、彼の“人々を楽しませるアート”という信念を体現した、見る者の心を和ませる魅力に満ちた立体作品です。