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日本近代洋画史にその名を刻む、夭折の天才画家・青木繁。
その極めて希少な肉筆の鉛筆デッサンを出品いたします。本作は単なる作品に留まらず、画家の息遣いと、彼を支えた友との絆を今に伝える、歴史的な遺産とも呼べる一葉です。
【由緒正しい来歴】 このデッサンは、青木の無二の親友であった梅野満雄氏が旧蔵し、そのご子息で梅野記念絵画館の設立者である梅野隆氏に引き継がれたものです。そして今から約30年前、梅野隆氏ご本人から直接お譲り受けた、これ以上ないほど確かで由緒正しい来歴を誇ります。
【梅野隆氏による真筆証明】 作品が描かれた厚紙の両面には、梅野隆氏の自筆で「青木繁遺作です」との鑑定書きが記され、さらに雅号である「梅野木雨」の署名も添えられています。親友の子息によるこの証明は、本作が真筆であることを疑いなく物語る、何よりの証左です。
【作品について】 一枚の紙の両面には、青木の創作の源泉を垣間見るような、生命感あふれる素描が残されています。迷いのない鉛筆の線は、夭折の天才が見た情景、捉えようとした一瞬の形を鮮やかに伝えています。表面には保護のためか薄紙が貼られており、大切に受け継がれてきたことが窺えます。
青木繁の作品、とりわけこうした生々しいデッサンが市場に出ることは皆無に等しく、まさに美術館コレクションに収まって然るべき逸品です。この歴史的な出会いを、どうかお見逃しなく。
万が一、真作でない場合は、返品を受け付けさせていただきますので、ご安心ください。
ご入札、お待ちしております。
【作品情報】
真の価値をご理解いただける方からのご入札を、心よりお待ちしております。
画家:青木繁 プロフィール
1882年、福岡県久留米市生まれ。明治浪漫主義を代表する天才洋画家。東京美術学校(現・東京藝術大学)で黒田清輝らに学ぶ。古事記や神話を題材にした壮大で神秘的な作品を数多く描き、わずか10年ほどの活動期間に、日本近代美術史に燦然と輝く傑作『海の幸』『わだつみのいろこの宮』などを残した。放浪の末、1911年に28歳の若さで夭折。そのドラマティックな生涯と情熱的な作品は、今なお多くの人々を魅了し続けている。