Ⅰ 技法編 基本のBasicカウント15
① エルムズレーカウント(考案:アレックスエルムズレー)
② ジョーダンカウント(考案:チャールズ・T・ジョーダン)
③ ハーマンカウント(考案:ブラザー・ジョン・ハーマン)
④ バックルカウント(考案:ダイ・バーノン)
⑤ プッシュオフカウント(考案:ダイ・バーノン ④で同時解説)
⑥ オールアライクカウント(考案:ラリー・ジェニングス他)
⑦ フラシュトレーションカウント(考案:ブラザー・ジョン・ハーマン)
⑧ ルンバカウント(考案:ジャン・ピエール・バラリノ)
⑨ アスカニオスプレッド(考案:アルトゥーロ・デ・アスカニオ)
⑪ リズムカウント(考案:ラリー・ジェニングス)
⑩ オルラムサトルティー(考案:エドワード・マルロー)
⑫ ジェミニカウント(考案:ブラザー・ジョン・ハーマン)
* 実演例題①:テーブルに置かれた「サイドウオークシャッフル」
⑬ アイカウント(考案:エドワード・ビクター)
* 実演例題②:テーブルに置かれた「電光と雷鳴」
⑭ ビドルムーブの転用(考案:エルマー・ビドル)
* 実演例題③:観客の選んだカードをパケットからデックの中央に移動させる
⑮ コンボカウント(考案:ダロー・マティネス)
Ⅱ マジック編(夏休みの宿題なので偏差値は設定していません)
技法編で練習したテクニックのためのドリルとして、見落としやすい傑作マジックとその改案を、私の何冊だかよくわからなくなってしまった大学ノート群(「砂かけ婆帝国の逆襲」「芝衛門狸さま漫遊記」福富書房刊)から厳選して紹介。
① 「Slow motion Joker to Aces」(原案:赤沼敏夫)
4枚のJokerが1枚ずつAceに変化してゆくという最もシンプルなパケットトリックのひとつ。フラシュトレーションカウント・ハーマンカウント、プッシュオフカウント、ハーフパスなどの基礎技法の連続をいかに滑らかにできるかが課題です。
* variation 「the back off」
上記の手順のとこうなりました。原案の、ハーフパスからのターンオーバーのような厄介な部分や、4枚のカードを5枚に数えてしまう論理的矛盾を捨象するためにこうなりました。余分なクライマックスをつけてみました。考案はノートに依れば1986年。
② 「奪還」(考案:片倉雄一)
故片倉雄一氏の傑作「奪還」は論理的につけいる余地が全くない完全無欠の手順です。エルムズレーカウント、リズムカウント、フラシュトレーションムーブ、メカニカルリバースなどの練習素材としても最適な作品です。
ラリー・ジェニングスのリズムカウントを発見する前、氏はどのような技法で処理されていたのでしょうか。聞いておけばよかった…と後悔しています。
* variation「fly card」
1990年代、世界の砂漠・山岳地帯で生活した経験を生かして、宇宙人の代わりに「ツェツェ蝿」にしてみました。ブランクフェースや同一のピクチャーカードを利用することで3段目にフラシュトレーションカウントを使用することが可能になり、結果的にクライマックスで、消していった順番にAceを再生することが可能になります。
③ 「reset」(考案:ポール・ハリス)
エポックメーカーのポール・ハリス氏の傑作。説明は特に不要でしょう。最も普及しすぎたトリックの一つです。
* variation「 Reset №8」
私自身のリセットの改案手順は12個ありますが、その中の8番目を撮影向けに修正しました。少し、挑戦的な手順になるようにアングルパームで処理しています。考案は1998年。
④ 「Oil & Water」(手順構成原案:リッキー・ジェイ)
最もシンプルで完成度の高い「水と油」のひとつ。1980年代に発表されて、すでにネオクラシックになった同氏の手順の、第二弾目で使用されるボトムディールを別の技法で代替しています。
⑤ 「twisting aces」(考案:マイケル・スキナー)
氏の作品は論理的構成がずば抜けているので説得力と一貫性がありますが、冗漫な感じは否めません。しかし、ドリルとして考えた場合は最高の作品だと思います。
演技中にハーフパスを2回もしなければなりません。観客にじっくり見られた状態でのハーフパスなので、角度に強い「見せないハーフパス」をご紹介します。また最後の4枚のAceがまとめてひっくり返るクライマックスには2種類の方法を紹介します。
付属品
■解説DVD 2枚組