【元祖Audiofile】米Command 35mm Magnetic Film録音 スタインバーグ ワーグナー名曲集 歴史的オリジナル盤 稀少超美品
米Command Classics CC11020SD Stereo 1LP。
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
歌劇「ファウスト」序曲
歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
歌劇「さまよえるオランダ人 序曲
歌劇「リエンツィ」序曲
ウイリアム・スタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団
1959年、HiFiレコード・レーベルの最先方、米エヴェレストは従来のテープ録音機に変えて映画用に開発された35mmマグネチック・フィルム録音システムをレコード制作の世界に導入しました。
それは35mm幅(通常の録音テープは6.3mm)のスプロケットつき映画フィルムに磁気コーティングしたマグネティック・フィルムを18inch/secで走らせてそこに幅広の3トラックで音楽信号を記録するという巨艦的な録音機で、大変高価ながら通常のテープ録音機を凌駕する劇的なHiFi録音方式でした。
35mmマグネチック・フィルム録音の主な長所を簡単にまとめると次のようになります。
1) 通常の録音テープでの2トラックステレオ録音のトラック幅の約3倍の幅を持つ35mmフィルム(しかも3チャンネル)はずっと広いダイナミックレンジがある。
2) 通常の録音テープのテープ走行スピードが15インチ/秒であるのに対し35mmフィルムは18インチ/秒であるため周波数特性において有利である。
3) 通常の録音テープのテープ厚が1.5ミルであるのに対し35mmフィルムは5ミルであるためテープ転写がずっと小さく音が澄明になる。
4) 35mmフィルムは映画フィルムと同じスプロケット駆動であるため走行が安定し、ワウ・フラッターが少なく音の濁りが少ない。
このように35mmマグネチック・フィルム録音は通常のテープ方式を凌駕する究極の録音システムでしたが、
1) 録音機が非常に大型である。
2) 録音媒体が非常に高価である。
3) 録音機の数が限られているため機動性に劣る。
などの弱点もありました。それにもかかわらずこの録音システムをレコード制作に導入したレーベルの熱意と決断には敬意を払わずにはいられません。
EVELESTの次にそのウルトラHi-Fi録音機に目をつけたレーベルがMercuryで、1960年にはそのシステムによる録音を開始しました。
同社のAudiofile録音のキャッチであった「Living Presence」に「35mm Magnetic Recording」を組み合わせたジャケットのレコードは究極のAudiofileレコードの代名詞となるほどのヒット作となり、それらの録音は今でもなおオーディオ愛好家に愛され続け、オリジナルLPはアナログ・ファンのコレクションの的となっています。
Mercuryの次にこの録音方式に飛びついたのがCommandでした。創始者のイノック・ライトは作曲者、編曲、指揮者という音楽家でありながら、究極のHi-Fiを求めるオーディオ・ガイであり、自身のレーベルCommandレーベルの制作を35mmマグネチック・フィルム録音システムで収録してゆきました。Commandはもともとポピュラー系の音楽を厚くレーベルでしたが、ライトは「Command Classics」というレーベルを新設し、本格的なウルトラHiFiのクラシック・レコードを世に送り出しました。Command Classicの一番のアーチストは昔からAudiofileと案の深いウイリアム・スタインバーグでした。
これら3つのレーベルが35mmマグネチック・フィルム録音システムによる夢のHi-Fi録音を実現した雄で、オーディオとレコードの歴史に大きな足跡を残しました。
ここに出品するのは「Command Classics」が制作した初期のアルバムからスタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団による「ワーグナー序曲集」のオリジナル盤です。
演奏はすばらしく、曲の面白さを最大限引き出します。
オーディオファイル録音ながらこれ見よがしのハイファイ録音風ではなく欧州風の自然な音で仕上げています。ちなみに録音にはMercuryのチーフ・エンジニアであって自らの「Living Presence 35mm Magnetic Recording」を制作していたロバート・ファインが当たっているというのですからイノック・ライトのこだわりは大変なものです。
「Command Classics」シリーズの製品はイノック・ライトのこだわりを反映して大変豪華に作られています。分厚く重いジャケット(639gというボックス商品並みの重さがあります)は見開きの豪華な作りになっており、そこでは35mmマグネチック・フィルム録音が大々的に紹介されてワーグナー以上の主役になっているところにCommandの意気とオーディオ黄金時代の熱意が満ち溢れています。
本品はレコード、ジャケットともにとても良いコンディションの超美品です。
レコードはレーベル上のスピンドル跡もわからないようなウルトラ極美盤で盤面はぴかぴか、検聴でもノイズは全くありませんでした。(米盤らしい手彫りのMATRIXが良い音への期待を一層高めます。写真参照。)
高光沢仕上げされて高級感があるジャケットはぴかぴかです。部分的に自然な薄黄ばみがあるだけで一切の傷みや汚れもなく、背文字までぴきぴきの超美品です。
厚いボール紙で何層にも作られた見開きジャケットの内部は新品のような美しさです。
Command 35mmマグネチック・フィルム録音のオリジナル盤にしてここまでの美品は大変稀少で簡単には手に入らないと思います。オーディオファイルLPの歴史を物語る現物です。どうぞお見逃しなく。
重量:639g(これに梱包材重量を足した総重量が送料の対象となります。)
ご入札の前に必ずお読みください。入札された場合はすべてご同意いただけたものとします。
安心してお求めいただける良質の品物の提供を第一に考えて出品しております。
音楽鑑賞に差し支えるような瑕疵のあるレコードは最初から出品しないようにしておりますが、レア盤などで瑕疵の存在にもかかわらず出品意義があるような場合には、その状態を明記して出品しています。
当方で出品するレコードはほとんどすべてが空気の乾燥したドイツで使用、保存されてきた品ですので、特別な表記がない限りジャケットにありがちなカビ、シミ、カビ臭などは一切ありません。
盤(外見を含む)の状態に関しては、検聴を行った盤に関して気が付いた点だけを書くようにしていますが、ノイズの出方や再生状態などは再生装置によって違い、その感じ方はきわめて主観的なものですので聴き手によって違います。またすべてのノイズを聴き取ることも書くこともできず、聴き逃しや見逃しもあるかもしれません。コンディションの説明はあくまで「大体の目安」とお考えください。(レコード特有の散発ノイズや盤質雑音などに関しては特に書きません。)
いかにきれいな品であっても中古LPは中古LPで、50-60年前の古い品も多くあります。
なお、古いレコードはたとえ新品でも長い年月の間に材料内成分の析出などにより小さなピチプチ雑音が出ることがあります。レイカの「バランス・ウォッシャー」やディスク・ユニオンの「レコクリン」などでクリーニングすればこれらが取り除かれてより美しい音を楽しむことが出来ますのでお聴きになる前のクリーニングをおすすめします。また、当方ではモノ・レコードはモノ専用カートリッジで聴いております。モノLPをステレオ・カートリッジで聴きますとモノ信号の再生に必要な水平方向の動き以外に垂直方向の動きも拾ってしまいますのでモノ・レコード本来の音が再生できないだけでなく、不要なノイズや雑音を拾うことにもなりますので、モノ・レコードはモノ専用カートリッジで再生されますことをお勧めします。
未開封新品においては中身のチェックができない未開封品であるがゆえのリスク(製造上の瑕疵、ソリ、カビ、ボックスセット内のクッション用スポンジの経年分解による粉汚れなど)もあることをご承知おきください。(交換や返品はできません。)
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発送は基本的にゆうパック(おてがる版)となります。
LPの場合、ほとんどが80サイズでの発送となりますが、複数枚の品物をご落札頂いた場合でもある程度の厚さまで同一料金で送れます。(それ以上になりますとその厚さによってサイズが変わり、料金が上がってゆきます。)複数落札の場合は必ずオークション終了後すべてのアイテムを「まとめて取引」にして取引を始めてください。そうでないとのシステム上各商品に別々に送料がかかってしまいます。なお、後からの落札品で「まとめて取引」にできなかったアイテムを後から同梱にすることはシステム上できなくなりましたので、その場合は各取引ごとに送料をお支払いください。