1995年名古屋CBC画廊を始め、各地の画廊で個展、賞賛を浴びる、1997年国際美術交流展（日本、韓国、中国）グランプリ受賞、1997年国際文化交流　功労特別大賞受賞　アーチスト大賞受賞、1998年ニューヨーク展グランプリ受賞、1998年アートジャーナルフランス大賞受賞、1998年「モナコ政府主催」の民間文化大使として出席、皇太子に絵を贈呈、1999年国際芸術文化勲章受賞

本作は、人見友紀が1992年に制作した15号の油彩画で、日本の美しい田園風景を描いた貴重な作品です。茅葺き屋根の家が静かに佇み、春の訪れを告げる桜の花が咲き誇っています。水を張った田んぼには新たな命の芽吹きが感じられ、曲がりくねった土の道が家々へと続き、温かみのある日本の原風景を見事に表現しています。 奥には霧に包まれた山々と、青みがかった深い森が広がり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。細やかな筆致と繊細な色使いにより、風景の静けさや穏やかな時間の流れが伝わる作品です。

1992年は、人見友紀が13年間の逃亡生活を終え、日本で画家として本格的に活動を再開していた時期にあたります。この作品には、故郷への回帰や安住への想いが込められているようにも感じられます。また、社会が大きく変動する中で、失われゆく日本の原風景を記録し、後世に残そうとする強い意志も感じ取れます。 人見友紀の作品の中でも、大型サイズのこの一枚は、細部まで丁寧に描かれた完成度の高さと、静寂と郷愁を感じさせる表現が際立つ重要な作品です。