ウェス・モンゴメリー(g.)、ジョニー・グリフィン(ts.)、ウィントン・ケリー(p.)、ポール・チェンバース(b.)、ジミー・コブ(ds.)、1962年6月録音。ウェス・モンゴメリーのライヴには、65年録音の『ハーフノートのウェス・モンゴメリー』というもう一つの名盤があるが、どちらか一枚選べと言われたら、ボクは迷わず『フル・ハウス』を選ぶ。どちらもリズム・セクションはウィントン・ケリー・トリオだからあまり違わないと
思われるかもしれないが、違いは大きい。まず『フル・ハウス』にはテナー・サックスのジョニー・グリフィンが参加している。彼のパワフル
なテナーが加わるだけで、俄然、ファンキーになり、演奏の熱量が増す。そしてウィントン・ケリー。『フル・ハウス』の録音は62年6月だが
、前年の61年3月にはマイルス・デイヴィスとともにSomeday My Prince will come.を録音し、同年6月にはマイルスとともに、ブラックホ
ークにおけるライヴを録音している。さらに前年の60年にはマイルス・デイヴィスのKind of Blueに参加しており、この時期のウィントン・ケ
リー・トリオはジャズ史に残る名盤を次々と録音していたと言える。この事実だけでも、ウィントン・ケリー・トリオが当時最高のリズム・セ
クションであったと言えるだろう。最高のピアノ・トリオとジョニー・グリフィンのパワフルなテナーに支えられ、ウェス・モンゴメリーがオ
クターヴ奏法を駆使してギターを弾きまくる。これでつまらない作品になるはずがない。ジャズ・ファンのみならず、すべてのギター音楽ファ
ンにも大推薦の名盤だ。
オリジナル・プロデューサーであるOrrin Keepnewsが発掘していく企画の最新盤。
●オリジナル・マスター・テープから24-bitでリマスタリング
●オリジナル・ジャケットとオリジナル・ライナーノーツを使用、さらにKEEPNEWSによる新たなライナーノーツも掲載。
1フル・ハウス
2アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス
3ブルーン・ブギ
4キャリバ(テイク2)
5降っても晴れても(テイク2)
6S.0.S.(テイク3)
7キャリバ(テイク1) (ボーナス・トラック)
8降っても晴れても(テイク1) (ボーナス・トラック)
9S.O.S.(テイク2) (ボーナス・トラック)
10ボーン・トゥ・ビー・ブルー(テイク1) (ボーナス・トラック)
11ボーン・トゥ・ビー・ブルー(テイク2) (ボーナス・トラック)