宗教法人 人間禅教団30年史
昭和53年
宗教法人 人間禅教団 発行
磨甎庵 白田劫石 (磨甎庵劫石/白田貴郎)編
27*19.5*4.8cm
665ページ
函入・布張り上製本
非売品
※絶版
現在も一般向けに広く座禅会・坐禅会を中心に各地で展開し、人間形成を目指す人間禅教団。
記録写真や様々なデータを加え、立教の趣旨から諷誦、儀式などの細かい規定までを網羅。
年史の形をとってはいるが、本書によって人間禅教団の全容を明らかにするという目的で編まれた一冊。
類書もほとんど無く、大変貴重な資料本。
【目次】
口絵写真
立教の主旨
創立三十周年を迎えて 総裁 磨甎庵 白田劫石
人間禅教団の来由 名誉総裁 耕雲庵 立田英山
両忘協会の由来 両忘協会総裁 両忘庵 釋宗活
宗教法人 人間禅教団30年史
教団本部並びに中央支部の歴史
鎮西支部の歴史
中国支部の歴史
岳南支部の歴史
北海支部の歴史
熊本支部の歴史
札幌支部の歴史
阪神支部の歴史
北越支部の歴史
房総支部の歴史
東京第一支部の歴史
四岡支部の歴史
年表
教団本部並びに中央支部
鎮西支部
中国支部
岳南支部
北海支部
熊本支部
札幌支部
阪神支部
北越支部
房総支部
東京第一支部
四国支部
全国支部名一覧
隨想集
残夢荘老大師の思い出 如々庵 芳賀洞然
一夢庵老師の思い出 雲龍庵 松崎廓山
妙峰庵老師の思い出 青嶂庵 荒木古幹
拈華庵老師の思い出 松永堅峰
不識庵武居玄旨老居士の思い出 澄徹庵 大重月桂
竹原義山居士を偲んで 一宇庵 小野円照
お母さんと私 三浦緑水
満洲支部について 曽谷万仭
清里時代 青木本源
栽松塾 梅崎鐵圃
雨洗塾 青木本源
擇木道場の記 徳久無盡
五葉塾の歴史 三松涼陰
宏道会の歩み 長野善光
中央大学五葉会の歴史 小池滔天
附録
要覧 立教の趣旨、人間禅教団団規、人間禅教団清規 行事・参禅の作法、茶礼、食事などのしきたり、結婚・納骨各種儀式などの作法、
願門及び諷誦、規則、団旗の作図法などの細かい、財務規定までを網羅
中央支部規則
団員名簿
統計表
帰寂者名簿
賛助員名簿
『道友』執筆者一覧
『人間褝』執筆者一覧
『凡夫禅』執筆者一覧
出版物一覧
編集後記
(編集後記 より)
本教団の創立30周年を記念する諸行事や事業が決議されたのは,昭和50年5月の評議員会においてであったが,30年記念事業の中の重要な柱として教団の30年史を編纂,出版すべしとの議が起った.
教団が創立されてからのこの30年の歩みというものは,歴史を編集するなどという大げさなことをいうには余りにも短いようにもみえる.しかしこの歩みの背景には,両忘協会の歴史があり,この方も今纒めておかないと,だんだんと旧い人も居なくなり,資料も散逸して後からは取返しのつかないこととなるので,この際これを纏めるという憲味も含めて決定された次第である.
教団30年史というものは,勿論単に教団本部の歴史だけではなく,全国各支部それぞれの歴史をも含んでいるので,編纂委員には,本部各支部全体から選ばれ,私が委員長となった.
先ず編纂委員会は,30年史の編纂について3年にわたる年度別の計画を立てることとし,同時に,本の体裁や,出版部数,所要経費等について検討して基本方針を立てたのである.
先ず第一年次の昭和50年度には,本部並びに各支部毎に資料を蒐集することに全力をそそぐこととし,特に両忘協会時代の資料については『道友』等の出版されているものについては出来うる限り集めて,製本整理しておく,又旧い記憶をもっている方に.は,それを原稿に書いてもらったり,テープに吹き込む等,とにかく総力をあげて資料を蒐集整備することとした.
特に,本部関係では,残夢荘,栽松塾,或は五葉会,雨洗塾,或は又清里時代や満洲時代の資料について特に,気を配った.
次に第二年次の昭和51年度に,は,編纂要綱を決定し,これに基づいて本部,各支部毎に割り当てられた項田こついて原稿を書くこととし,頁数を指示した,
そのほか,両忘老師や耕雲庵老漢の原稿,或は個人的な想い出を依頼する人への依頼,年表の作成等分担を定めて原稿作成に.当ることとした,
(中略)
当初の企画では,多くの旧い方々に想い出を書いていただくほか,耕雲庵老漢が今まで書かれた文章を,この際まとめて印刷にしたらという考えも出されたが,何分にも頁数に.制限があり,今回はこれはなさず,別の機会に譲ることとした次第である。
この30年史は,年史であるが,これによって教団の全容が明らかになるようにしたいという気持もあり,附録にいろいろなデータを加えた。又写真もできるだけ記念や思い出になるものは掲載した。
さてこの編纂の過程の中で特筆すべきことがらが一つある。それは耕雲庵老漢の『鳥道記』がある。これは,老漢が両忘老師について修行を了えられ,大法の挙掲をなされた昭和5年から昭和50年まで,46年間にわたって書き綴られた法要の記録である。生きた法の歴史といってよいものである。即ち『鳥道記』は,両忘協会と人間禅教団の歴史をつき貫ぬく大動脈なのである。『鳥道記』なくしては,30年史はこのような形で出版はできなかったのではないかと思われる。摂心会の営弁なくしては,教団の歴史はないからである。これはまことに,文字の上には表われない血のにじむ想い出を泌めた大法挙揚の歴程のあとなのである。
以上のような経過を経て,この30年史は編纂され出版の運びに到った。(中略)
この30年史が,本教団にとってのみならず,人類の歴史にとって重い意味をもつであろうことを固く信じ,且つ念じつつ筆を擱く。
昭和52年9月17日
人間禅教団30年史編纂委員会
委員長 白田劫石