『近三百年稀見名家法書集粹』は数年にわたる蒐集整理を経て約300年にわたる代表的な書家の稀有な法書を精選して収録した。
この叢書は影写版として制作出版され原稿への最大限の忠実性を原則として原稿の筆画の欠損や墨色の濃淡は一切修正せず原稿の書作の原始的貌を保っている。
叢書では作品の巻頭題、本文、跋文すべてに解説文を付しそれぞれ明記することで読者が作品を参照しながら読解できるよう配慮されている。
仲威・譚文選編集の『呉譲之篆書二種』はこの叢書の一冊である。
本書は『団扇銘』と『山海経図讃』を合わせた冊子で『団扇銘』の上記「稼孫」は魏錫曾であり彼は印章に強い執着心を持ち、
「印奴」という称で知られ日頃筆硯に没頭し金石拓本や名人の印を集めた膨大なコレクションを持っていた。
『山海経図讃』は沈樹宛てに書かれたもので沈氏は字を均初と称し咸豊・同治時代の有名な金石学者で所蔵の善本手帖が特に豊富であった。
この二種の篆書は書風が類似しておりおよそ同時期に書かれたものと考えられる。
同道に宛てた作品ゆえに非常に力を入れており点画は伸びやかで軽やか構図は細長く疎朗、筆致は安定して流暢、円勁で美しい。
黄賓虹は「呉熙載の篆書は純粋に鄧法を用い筆を振るい落とす際には自在に巻き展開し剛健さにはやや劣るものの軽やかで多様な姿があり、
新たな面影を持っている」と述べているがこの二つの作品を評するのに最も適切な言葉であろう。
製造元 : 嶺南美術出版社
編著者:呉熙載
ISBN:9787536263765
シリーズ:近三百年稀見名家法書集粋
出版日:2018年3月
言語:中国語(繁体・簡体字)
ページ:31
商品サイズ:A4 28.5 x 21.0 x 0.4cm
商品重量:120g
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