須山公美子さんの1984年に京都市深草のインディーズ・レーベルのゼロレコーズ(Zero Records/ZERO COMMUNICATIONS)よりリリースされた希少な記念すべき1stアルバムです。シンガー・ソングライター、キーボーディストの彼女は、関西パンク草創期の1979年、本田久作が結成したニューウェイヴ・バンド「変身キリン」に参加してキーボード、ボーカルを担当する。1981年に初のソロ作品として、兵庫県宝塚市のムーンレコード(MOON RECORDS)から4曲入り7インチEPシングル『少女歌手/パラドクス/虫の時/仮面の神』をリリースし(規格品番:M-8101)、1982年2月に自主発売したピアノ伴奏による7インチEP「虫の時」がインディーズヒットを記録、英仏の4つのコンピ作品に参加するなど海外とくにヨーロッパで評判となる。その後、1986年に「夢」をコンセプトに統一感のあるアルバム作りが行われたセカンドアルバム『夢のはじまり』をリリース。すきすきスウィッチの佐藤幸雄がプロデュースし、演奏には溝口肇、篠田昌巳、近藤達郎、清水一登、れいちなどが参加した。1stアルバムと2ndアルバムではアコーディオンを前面に、シャンソンや昭和歌謡のエッセンスを盛り込んだレトロ風の曲調となっている。この頃は、彼女は自らの音楽をアングラ・フォークの系譜にあるとしていた。今回出品の1stアルバム『Les chansons qui filent du rve...』では1980年代のパンク・ニューウェイヴから影響を受けた曲もあり、シャンソン、タンゴからトラッドまで幅広い音楽性を持ち、曲調はバラエティに富んでいます。2016年には、ディスクユニオンのレーベルSUPER FUJI DISCS から『Les chansons qui filent du rve...』、『夢のはじまり』のリマスターCDのほか、ライブアルバム『ただ一度の機会』が発売され、2019年にはレトロなシャンソンを歌う『くちづさむ、ふらんすのうた。』がリリースされています。現在は、FM宝塚『宝塚とシャンソンの熱〜い関係』のラジオパーソナリティを務めるほか、市内在住の音楽家などが2006年に結成した市民団体「宝塚シャンソン化計画」の中心メンバーとして、公益財団法人宝塚市文化財団が運営する「ソリオホール」で毎年開催される「宝塚パリ祭」の企画・運営に関わるなど、宝塚市を拠点にシャンソンの普及活動を行っています。このアルバムの収録曲は、A面「Face du soreil」-サーカスがくるよ!、Dance、Lovers in China、冬の日差し、午後の憂鬱、アラビアの夜、老夫婦の死、B面「Face de la lune」-テイラ・ライラ、、花嫁人形、寡黙な時間、夜に踊れば:心易く眠れ の全11曲です。ジャッケット裏面下部にジャケット紙質の経年劣化による僅かなシミ、汚れ等が見受けられますが、概ね全体的には状態も良好な綺麗もので、盤質については、ほぼ新品同等の極めて状態、程度の良いものです。発送については、ゆうパックでの発送となります。