■商品概要
昭和12年(1937年)、戦前の日本画壇において描かれた、絹本肉筆の武者絵掛軸です。
落款には『雲楓』とあり、昭和丁丑(昭和12年)の制作であることが記されています。
■作品の魅力
本作品は、大鎧をまとった威厳ある武将と、畏まって書状を捧げる人物が描かれています。
画題の明記はありませんが、その構図、及び昭和12年という制作年から推測するに、「楠木正成(大楠公)」が後醍醐天皇からの勅命を受ける、あるいは湊川の戦いへ赴く際の決別の場面を描いたものと思われます。
特筆すべきは、その細密な描写力です。
甲冑の紐の一本一本、武将の苦渋と決意が入り混じった表情、そして背景の樹木や岩肌の筆致に至るまで、非常に確かな画技を持った絵師による作品であることがうかがえます。
印刷物(工芸)ではなく、絹地に描かれた正真正銘の肉筆画です。
サイズも縦215cmと非常に立派な寸法で、床の間に掛けた際の迫力は圧巻です。
歴史画・武者絵を愛好される方、また昭和初期の時代精神を伝える資料として収集される方におすすめいたします。
■商品詳細
・技法: 絹本肉筆(シルク地に直接描かれています)
・軸先: 骨、または樹脂(画像にてご確認ください)
・箱 : 木箱あり(合わせ箱と思われます)
・サイズ:総丈:約 215 cm × 54 cm(※素人採寸ですので若干の誤差はご容赦ください)
■状態について
絵画部分: 昭和初期の古い作品ですので、全体的に経年によるシミ、焼け、汚れが見られます。
特に上部(空の描写部分)にややシミが散見されます。
破れなどの致命的なダメージはありませんが、時代なりの古色があることをご理解ください。
表具: 経年の使用感があります。
その他: 保管箱の中に防虫香(仙福香)のラベルが見えますが、これは保管のために当方が後から入れたものです。
当時の付属品ではありませんのでご了承ください。
■真贋・作者について
落款の署名は「雲楓」と読めますが、作者の詳歴については特定に至っておりません。
当方、趣味で収集したもので、鑑定士ではなく、資格を持っているわけではございません。
画題につきましても、特徴から「楠木正成」と推測しておりますが、鑑定書等は付属しませんので、掲載画像をよくご確認いただき、最終的にはご入札者様ご自身の審美眼にてご判断をお願いいたします。
■注意事項
古い美術品ですので、神経質な方、完全美品をお求めの方は入札をお控えください。
撮影環境やご覧のモニターにより、実物と色味が多少異なって見える場合がございます。
ノークレーム・ノーリターンでお願いいたします。