
ソニー製最高級プリメインアンプESシリーズの元祖 TA-1120の整備済み完動品・超美品の品物を出品させて頂きます。
シリアルNoは、(2042 なんと4桁です。!!)、電源コードの製造年印字は、有りません。
ソニーのTA-1120シリーズは、1965年に日本で初めてオールシリコンTrのプリメインアンプとして発売され、その1年半後の1967年に大幅にリファインされたTA-1120Aが発売され、さらに1120最終型として、1972年にTA-1120Fが発売され、なんと1977年6月のカタログにも掲載されていますから、初代から数えて12年間も継続生産・販売されていた事になります。
これはプリアプTA-2000/TA-2000F及びFM専用チューナーのST-5000/ST-5000F共々、これだけ長年にわたって販売された例は、稀だと思います。
下記に三代の概要を簡単にまとめておきます。
(1)元祖初代 TA-1120→→出力コンデンサ付き準コンプリメンタリSEPP方式・ヘッドフォン回路無し
(2)二代目 TA-1120A→→出力コンデンサ付き準コンプリメンタリSEPP方式・ヘッドフォン回路有り(但し、ヘッドフォンの指定インピーダンスは、10KΩ限定で8Ω~600Ω等は使用不可!!)
(3)三代目 TA-1120F→→ダイレクトカップリング方式(出力コンデンサ無し)準コンプリメンタリSEPP方式・ヘッドフォン回路有り(8Ωから10KΩまで使用可能!!)
本機を使用する上で後継機のTA-1120A及びTA-1120Fと大きく異なる仕様が一つだけ有りますので御注意願います。
それは、レコードを聴く場合のフォノ①とフォノ②の入力感度の違いです。
後継機のTA-1120A及びTA-1120Fともフォノ①・フォノ②とも入力感度は、1.2mVであるのに対し、TA-1120は、フォノ①が5.0mVで、フォノ②は1.2mVです。
この為、フォノ①に繋ぐと出力が極端に小さくなり使い勝手が悪くなると思います。(たぶん高出力のクリスタルカートリッジ用??)一応参考までに!!!。
本機は、徹底的に洗浄・清掃・ポリッシュを行い、不具合等は完全に修理・修正し更に今後 何年も長期間にわたり信頼性を高める為に諸々の部品交換を行いました。その詳細を下記に列記致します。又、このアンプのオリジナリテイを極力損なわないよう部品交換は、必要最小限度に留めております。
尚、整備の詳細及び使用高級部品等の詳細・その他については、(Auction Labo)様の写真の後に、(追記—〇)という形で後述させて頂きます。
(主な部品交換の詳細)
(1)サーキットブレーカー基盤・ミューテイング基盤・パワーアプ基盤(Lch及びRch)・フラットアンプ基盤・EQアンプ基盤の全基盤の(電解コンデンサ)を、全て高品位オーデイオ用新品に交換。尚、容量値はオリジナルと全て同一とし、耐圧は、信頼性の確保と見た目のオリジナルとの同一性の観点から、2~3倍の高耐圧品にしております。
(2)悪名高いソリッド抵抗(長い経年で抵抗値が上昇する!!))は、全基盤の全数をテスターチェックし、公差(10%)を超えているものは、(酸化金属皮膜抵抗2W型)に交換済です。
(3)背面パネルのAC入力部の(スパークキラー)を高規格品に新品交換。このスパークキラー(0.1μF+120Ω)は、オリジナルは、橙色ですが、高規格品は、黒色です。この部品のパンク不良は、経年品で結構発生します。
(4)電源トランス及び電圧切替器からの引き出し線をコネクター化し、シャシーから重量物の電源トランスを取り外し、シャシ細部まで徹底して洗浄・清掃することが出来ました。(詳細は、イメージアップの写真の後に記載してある整備詳細を参照願います。)
(5)信号用基盤の取付用シールド板の線材貫通丸穴の下側を切断切り欠き加工
この切り欠き加工をしないと、この板金を取り外す事が出来ず、徹底した整備を行う事が不可能です。(Auction Labo)様の写真を参照願います。
(6)音量VR及びバランスVRは、クレ製(クイックドライクリーナー)にて清掃・乾燥後、極細の筆にて接点復活剤を薄く少量塗布済(ガリ・摺動ノイズ等、一切有りません!!)
尚、交換部品の旧部品と新規部品の交換表詳細は、各種書面と一緒に同梱致します。
以上が主な修理・交換部品の概要です。詳細は、(Auction Labo)様の写真と後述する(追記ー〇)の整備内容を参照願います。
それでは、本機の概要を簡単に記述しておきます。
①パワーTr(ソニー純正2SD45・・・8個使用)は、テスターチェックの結果、劣化は8個中7個は全く見られず特性も良く揃っていて優秀です。1個だけ少し劣化が認められたので、在庫品(同一品番中古良品)に交換済です。
②フロントパネルは、目につくキズ・クスミ等無く大変キレイです。及び背面パネルは、大きなキズ・サビ等無く大変キレイだと思います。大袈裟にいえば新品同様です。!!
③ボンネットケースは、小さなキズ・サビ等ほとんど無く大変キレイです。
④その他、底板・シールド板等の程度は写真を参照願います。概ねキレイです。
⑤シャシー内部は、入手時、ホコリも殆どなく大変キレイだった為、丁寧に拭き清掃を行っております。。
⑥整備前と整備後の写真を(Auction Labo)の写真で見比べて下さい。大変キレイです。一度ケースを外して中を見て頂きたい程キレイ!!です。
⑦SPターミナルの(Lchのマイナス側)に黄銅色の変色が有ります。(Auction Laboの写真を参照願います。)
次に電気的チェックの結果を下記に列記致します。
①マイク入力・フォノ入力・チューナー・AUX・テープ等全入力とも全て正常に音出し、ノイズ・ガリ等無くOKです。
尚、(TAPE HEAD)入力は、テープヘッド出力機器が無い為、フォノを入力し出音は確認済です。
②スピーカー出力・プリアウト・REC OUT出力とも全て正常出力です。
③尚、DINコネの入出力は、接続コード無き為、未チェックです。
④ファンクショSW・モードSW・ロー・ハイフィルターSW・トーンコトロールSW・モニターSWの切り替え正常・不快なノイズも有りません。
⑤音量VR及びバランスVRも、ガリ・不快なノイズ共有りません。
但し、音量VR最小ポジションでも、全く気にはなりませんが、ほんのかすかな出音が有ります。
⑥DCバイアス測定用のコネクターを新設し、どなたでも超簡単にテスターにてチェック出来るようにしてあります。
DCバイアスは基準通り25mVにADJし、その後約2時間程試聴後、再チェックしましたが、ドリフト(変動)は、何と5mV以内で非常に優秀でした。
以上です。付属品は下記の通りです。
①(リファイン機TA-1120A用日本語取説)及び本機の(英文サービスマニュアル)・(その他プロフィールコピー)・(本機関連モノクロカタログコピー)及び(パワーTrの実測絶縁抵抗測定表)・(電解コンデンサ使用表)
以上をクリアーバインダーにお入れして御付けします。
②本機から取り外した旧部品。
尚、約50年以上の経年品に付き、私の手を離れた後の保障は一切致しかねます。ノークレーム・ノーリターンを遵守出来る方のみの御入札を御願い申し上げます。
但し、到着後、1週間以内で、(電源が入らない)・(音が出ない)・(酷いひずみ音)等、の重大不具合については、元払い発送後、(修理)(返金)に応じます。尚、返金額については、落札金額から入札手数料(落札金額の8%)を差し引いた金額になる事を御了承願います。
発送は、(ヤマト宅急便)又は(ゆうパック)のみの限定です。発送料金の基になる荷物サイズは、140サイズです。
元払い・着払い・配達時間の御指定等、落札者様11の御希望に従います。
(入札に関する重要事項)・・・下記4項目に該当する方は入札を御控え願います。たとえ入札・落札されても(落札者都合による削除)処理をさせて頂きます。
①評価新規の方。
②評価の内、(非常に悪い)が全評価の5%以上の方。
③外国人で日本語の読み・書きが出来ない方。
④落札後、2日以内の取引ナビ連絡及び5日以内の御入金手続きの出来ない方。
それでは、10枚及び(Auction Labo)様の20枚,合計30枚の写真を御覧頂き御入札の参考になさって下さい。


powered by auction-labo.com
(追記ー1)主な整備内容について列記致します。
①電源トランス・プリント基盤取り付け板を外した状態で、シャシー内部を丁寧に拭き清掃。
②レバースイッチ軸のサビ取り及び防錆処理。
③ロータリースイッチの丸型ツマミの取り付けビス(イモネジ)のサビ取り及び防錆処理。
④ボンネットケースをクレ製LOOXにてポリッシュ。
⑤フロント化粧パネル及び各ツマミを(お風呂ルック)にて洗浄後、クレ製LOOXにてポリッシュ。
⑥底板・入力ジャックシールド板・信号基板取り付け板等を(お風呂ルック)にて洗浄・清掃。その後、クレ製(LOOX)にてポリッシュ。
⑦ヒートシンク清掃及び放熱用シリコングリス新品交換塗布。(パソコンCPU用高性能シリコングリス使用)
⑧パワートランジスター(2SD45)8個の抵抗測定及び実測表に記載。(付属のクリアーバインダーの最後の方に入れて有ります。)
⑨電源トランス引き出し線及びパイロットランプ引き出し線及びAC入力線等のコネクター化。
⑩各スイッチをエレクトリッククリーナーにて清掃、その後、接点復活剤を極細筆にて微量を塗布。
及び、各スイッチの可動部に二硫化モリブデン配合グリスの塗布。
⑪ピンジャックホット側を接点復活剤にて清掃。
⑫スピーカーターミナル・アースターミナル・半固定VR軸・ピンジャック・MICジャックを極微クリーナーにてポリッシュ。
⑬電源コードを無水アルコールにて清掃及び電極刃を極微コンパンドにポリッシュ
⑭背面パネルをクレ製LOOXにて丁寧にポリッシュ。
⑮パワー基板のDCバイアスを規定通りにアジャスト。
⑯パイロットランプホルダーを無水アルコールにて清掃。及びセーフテイランプ(緑)が断線していた為、新品ランプに交換済。
⑰DINコネのサビ除去及び防錆処理。
⑱前述していますが全ての基盤の全ての電解コン・スパークキラー等を高品位パーツに交換済み。
以上が主な整備内容です。
(追記-2)ソニーESシリーズの電源トランスの比類なき優秀性について。
①本機の最終音出しチェックを2時間程行っていますが、ヒートシンクの上面に手を当てるとホンノリ温かく感じられましたが、電源トランスの上面に手を当てると冷たいままでした。
②これは、何も本機に限ったことでは無く、私が今まで整備経験のあるTA-1120A(5台)/TA-1120F(18台)/TA-1130(5台)/TA-3200F(6台)とも同じ現象です。
③TA-1120から始まる、これら一連のESシリーズの電源トランスは、一貫してソニーが、(タムラ製作所)に特注していたものです。
特徴は、全て全世界に輸出する前提でのバランス巻きの中間タップ出しで、100V/120V/220V/240V対応とし、カットコア・100%ピッチ詰め・角型ケース入りです。超低ノイズです。
この頃のソニー製オーデイオ機器は生産量の約9割が輸出向けで国内向けは、ほんの1割前後でした。
④ある(タムラ製作所)の関係者がブログで、ソニーの世界初オールトランジスター大出力アンプ(TA-1120)の電源トランスの一回の発注ロットが、少なくとも3000個でビックリしたと回顧しておりました。
⑤写真では小さく見えるかも知れませんが高さが有る為、立方体としては、かなり大きな物です。
通常のEIコアのトランスに比べカットコアトランスは容量比で約三分の二の大きさに成ります。
(追記ー3)パワー系基盤の全ての電解コンデンサーの高品位新品に交換した詳細
①メーカーと種類は、約8割がニチコンのファインゴールドシリーズです。
②コンデンサーの容量値は全てオリジナルと同じ物です。
耐圧は全てオリジナルの2~3倍の物にしています。
理由は、今後何十年もの使用に耐えられる信頼性の確保とオリジナルとほぼ同じ大きさに揃える為です。
(追記ー4) 電源トランス引き出し線等のコネクター化について。
①シャシー内部及びパワートランジスター等の徹底した整備を行う上で、これらユニットを外さないと事実上不可能の為、コネクター化を行っております。
②私は、本機に関わらず、TA-3120F/TA-3200F/TA-3130F/TA-3140F/TA-1120A/TA-1120F/TA-4650等、ある時期より全てこの方式で整備しています。
③このコネクター化は、コネクターの選定・圧着工具の選定準備・圧着作業の熟練等、ハンダ付け作業よりも、遥かに難しい面が有り、素人の方は真似をしないようにして下さい。
私は、長年電線加工メーカーに勤務しておりましたので知識と熟練した作業に自信がある為、この方式を採用しています。
④このコネクター化は、単にシャシーの洗浄・清掃・整備の為だけでなく、万が一故障・不具合発生時にもヒートシンク及びパワーTrの取り外し等、手間無く簡単に出来る利点が有ります。
(追記ー5)TA-1120に採用されている電源トランス以外の高性能・高価格の部品について。
①ロータリーSW及びレバーロータリーSWは、アルプス電気への特注品ですが、構造は同じです。
これらスイッチは、可動接片を固定接片が上下からバネ圧で挟み込む構造になっており、何十年もの間の経年変化がほとんど無く、ガリ、ノイズが発生しにくい構造です。
切り替えタイミングは、ショーテイング・ノンショーテイングと使用回路ごとに設計・製造しなければならず、全てのスイッチが、特注品です。
(追記ー6)御自分でこれから整備される方々へ老婆心での注意事項。
①このアンプが生産販売されていた頃、日本の産業界で大きな変革が有りました。それは、ネジ(ビス)・ナット類の規格が(旧JIS規格)から、世界標準の(ISO規格)に猶予期間を経て統一された事です。
ソニーの音響製品では、TA-1120A/TA-2000/TA-3120A/TA-4300/ST-5000等までは(旧JIS規格品)で、それ以降のTA-1120F/TA-2000F/TA-3120F/TA-4300F/ST-5000F等からは、全て(ISO規格品)に変更になりました。
この規格の違いは、僅かなピッチの違いだけなので、見た目では、全く判別できません!!。
この為、(ISO規格品)のネジ(ビス)・ナット類には、その頭部に小さな(丸ポッチ)を打刻して、見分け出来るよう規制されました。
また、(旧JIS規格品)時代は、使われていなかった(タッピングビス)も(ISO規格品)時代になって急速に使われだし作業の工数が劇的に短縮されました。
今回 出品のTA-1120は、(旧JIS規格品)の為、使われているネジ・ナットを紛失すると、この(旧JIS規格品)は現在販売されていませんので、大変困ります。十分 細心の注意を払って整備にあたって下さい。
(追記ー7)音質評価について。
①私は、このアンプに限らず、音質については述べないことに事にしています。
理由は、人それぞれ千差万別の好みが有ると思うからです。唯一の私の評価は、ノイズの少なさです。
この当時、ソニーのアンプ等の音質評価は、一部のアンチソニー派、あるいは、根拠無しのオーデイオ評論家の受け売りで”冷たい音”・”硬い音”等。あまり良くなかったように思います。
まだ真空管アンプが、主流の時代にトランジスター(=石)という、硬い・冷たいという石からのイメージで音質評価をしていた評論家も結構居たように思います。
②実は、手元に当時のソニー社内報(141号・1969年9月号)が有りますが、その中に当時の音響事業部の設計者等、関係者のインタビュー記事が掲載されています。
そこの記事の中に、TA-1120の発売初期のオーデイオ評論家への機器渡しの逸話が有り、(当時の有名なオーデイオ評論家10名くらいにモニターになってもらったそうです。普通、モニターは当時、他社は、タダで出したそうですがソニーのTA-1120は、定価の2割引きで売っていたそうです。!!)
この当時、サンプル用として、100台程用意し、当分持つだろうと思っていたのが、いっぺんに無くなったという事です。
③ある設計者の話として、当時の大賀専務(大賀典男氏・元プロのバリトン歌手・当時のソニーの盛田副社長にスカウトされCBSソニーの専務に就任・後にソニー社長・会長を歴任され、2011年4月に逝去)のポリシーとして、(純然たるデータ上の性能面だけではなくて、例えば、スイッチの切り替え時にノイズが出てはいけないとか、細かい点をものすごく厳しくやられて、”解決するまで発売するな!そんなものをソニーから出すものじゃない!)と言われていたそうです。
当時、他社のいろいろなアンプを偉い先生方が、実際に使ってみて、その感想に、”スイッチを切り替える時は、ボリュームを絞って使わなければ、スピーカーが壊れますよ”というコメントが書いて有ったそうです。
ソニーの設計者達は、第一に、そいう事をやってはダメだという事が、よそのメーカーでは、大ぴらに通用していたという事です。
(追記ー8)元祖TA-1120の整備について。
①リファイン後のTA-1120A及びTA-1120Fと比較すると元祖品という事も有り、とにかく性能第一で整備性は、後回しという感じで、これから、整備に挑戦しようと考えている方は、相当な覚悟を持って当たって下さい。!!!
このアンプは、入手時の状態が非常に良かった為、私の持てる技術の全てを注ぎ込んで整備しようと思い、一切手抜きせず整備しました。
気の向いた時での整備の為、整備開始後、1年と2か月程の月日を擁してしまいました。どうぞ入手後は、大切に御使いになって下さい。