
秋田風俗絵巻」を読む
A5判・127頁
定価1980円
※「秋田風俗絵巻」は、秋田藩の直臣である荻津勝孝が描いた江戸後期の絵巻です。
横14m、縦38.8cmの紙本着色一巻もので、久保田(秋田)城下の風俗を11場面に分けて克明に描いています。
この絵巻は現在、秋田県有形文化財に指定され、秋田県立博物館が所蔵しています。
江戸時代後期の秋田の農耕や年中行事、町並や風俗、文化を知るうえで貴重な資料です。
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第一章 「秋田風俗絵巻」の全体像
「秋田風俗絵巻」/「絵巻」の描かれ方
第二章 正月年礼
正月の門前につどう人びと/不思議な風体の人びと/万歳と猿回し
/雑芸能民の社会的な位置/江戸時代の身分制と芸能民の力
第三章 正月通町の市
通町の風景/並ぶ出店/門で仕切られた町/家並みの風景
/通町のなりわい/旅行者の見た通町の景観
第四章 カマクラ
「風俗問状答」に描かれたカマクラ/「カマクラ」行事の意味
/「鳥追い」/訴訟沙汰になったカマクラ
第五章 サイノカミ祭り
サイノカミ祭り/「絵巻」のなかのサイノカミ祭り
/「問状答」のなかのサイノカミ祭り/記録のなかのサイノカミ祭り
/子どもの役割/行列の規模/幕末近くのサイノカミ祭り
第六章 八橋縄手
獅子舞のいる風景/八橋縄手/八橋のにぎわい
/旅人が見た八橋/絵馬を持つ子ども
第七章 八幡宮の祭礼
行列図の謎/「八幡宮」=日吉八幡神社の疑問
/正八幡宮祭礼の可能性/日吉八幡神社の祭礼である可能性
/八幡日吉八幡神社の祭礼/山車の巡行
第八章 五月五日の節句と田植
場面の概要/菖蒲の力/ノボリの意味/田植の風景
/早乙女のちから/「図絵」のなかの農民
第九章 土崎湊
「絵巻」の風景/初夏のにぎわい/上方へ向かう年貢米
/「絵巻」の最後を飾る土崎湊
第十章 「秋田風俗絵巻」の世界
「絵巻」の全体像/習俗の力/もうひとつの「絵巻」の可能性