除籍本 遺伝子組み換え食品 単行本 天笠 啓祐 (著)・1136
遺伝子組み換え食品が食生活を席巻しようとしているこの時期,ビジネス化する農業と政策のあり方を批判する
アグリビジネスがもたらす高収量品種は,収穫を増やしただけでなく,食糧生産の方法を変えてしまった。大規模なかんがいが必要であり,大型機械や,大量の化学肥科・農薬が必要な,カネのかかる農業になった。その結果,アグリビジネスは,さまざまなもうけ方ができるようになり,食糧をトータルとして,大変うまみのある商売にしてしまった。
チキンラーメンは添加物の陳列場であった。小麦粉に添加物をいろいろ加えて"食べもの"が加工されたのである。食べものといえば,カビが生える,腐るなど,新鮮さが持続しないため,産業としては大規模な生産がしにくい分野であった。ところが添加物は,腐らず,陽ざらしにしても耐えられる"食べもの"を可能にし,大量生産を可能にした。食べものの工業生産化時代の幕開けであった。
遺伝子組み換え技術は,これまで自然界にはなかった生物をつくるなど,生命の基本を操作するという,「神の領域」に人間が手をつけたことを意味する。このようなことは許されることなのか,許されるとしたらどこまでか。このような議論がまともに行われないまま,研究を推進したい人達によって進められてきた。
環境庁は89年に「遺伝子組み換え体の開放系利用に伴う環境保全の基本的考え方」をまとめ,野外実験に対する指針づくりに入った。EC指針を受け,世界的流れに乗って,指針から法規制に方針を転換させ,法制化に向けた作業が中央公害対策審議会で行われることになった。ところが,肝心の法制化を検討するはずの中公審バイオテクノロジー専門委員会の中に,4人も法制化反対の要望書に名前を連ねた人たちが入っていた。
「日本の食卓が危ない」というのが,キャッチコピーになっている。表題と考え合わせると,遺伝子組み換え食品の危険性について警告を発する内容だろうと思いがちだが,むしろ現代の食糧事情の背景にあるもの,すなわちアグリビジネスに狂奔する内外の大資本や政策のあり方を批判的にとらえる内容に,紙数の多くが割かれている。 (ブックレビュー社)
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