佐倉藩堀田家伝来『綾小路』本阿弥光常折紙 鎌倉時代を代表する名工一派 美術倶楽部鑑定折紙 働き見事な傑作刀 本阿弥光瞭鞘書
鎌倉時代の山城鍛冶は粟田口、来、綾小路が知られています。綾小路は
京都の四条にありその付近に住んで作刀した刀工達を綾小路派と呼んでいます。
その祖は定利とされ、製作年代は宝治（1247年）や文永（1264）頃とされて
いますが、出来栄えから鎌倉時代中期よりも古いと思われる作例もあり
通説よりも遡る可能性も示唆されています。ある説では来国行と親交が
あり作刀が注文に間に合わない時などはお互いに代作を行い注文に
応じていたとも言われています。来派と綾小路派の関連を想起させる
面白くも興味深い逸話であると思います。
この刀は菖蒲造、庵棟、身幅尋常、重ねやや厚めとなって、反り深くつき、
切先は鋭くなっています。鋭く堂々とした姿は豪壮で迫力があります。
鍛えは小板目肌がよく練れて精美で、地班が現れて、地沸が微塵につき、
地鉄に潤いがあります。刃文は小乱れ、小丁子、小互の目などの刃を交え、
複雑に乱れ、足や葉が入り、小沸がついて、金筋、砂流しがかかっています。
帽子は焼詰めごころとなっています。表裏に薙刀樋があります。茎は磨上無銘と
なっています。本阿弥家十二代目光常の折紙が付属しています。
鞘書は昭和初期を代表する鑑定家であった本阿弥光瞭です。また鞘に貼紙があり
堀田家の旧蔵であった事が伺えます。堀田家は三代将軍家光に引き立てられて
躍進し譜代の名門となり当主は老中など要職を務めています。昭和を代表する
刀剣の研究・鑑定家であった清水不濁の美術倶楽部鑑定折紙が付属してます。
譜代大名として現在の千葉県で最大の石高を誇った佐倉藩を治めた堀田家の
蔵刀に相応しい名刀であると思います。
長さ/61.3㎝ 反り/2.7㎝
元幅/26.8mm 元重/6.7mm 刀身のみの重量410g
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